恩寵と秘蹟の物語:マルス:文芸学夜話:ホフマンと幻想怪奇小説
After all ,some people said that being single at that age would be lonely. Some say that sometimes he miss women more than his studies. .Of the 50 or so students left ,only 10 or so remained in the classroom, About 30 minutes passed, Sensei did not seem to come,
Oh,ja, let us do that !There is a gap in time. By the way ,the two of us? ,Sawada asked.
The two of us are fine, but that would be a little boring, Hey,how about inviting Yagisawa-kun ,who is talking over there, Sawada smiled tightly at Michinosukes slightly embarassed expression.
Of course ,two people sre more fun than the one, and women are more fun than only men.
This is the first time that Michinosuke invites Misaki out for tea,
They were classmates in the Sophia University ,so they knew each other well, but they had not really talked to each other yet, They had just only simple exchange of greetings from time to time in the campus...
Fortsetzung ...
* 断章: Prof.イモヌスの文芸夜話 )) )
では、行きつけの処が すぐ其処にありますから、そこへでも・・
夏里はお銚子を一、二本空けると すぐに酔いがまわってきた。あまり強くない男の宵の酒は まわるのが早かった。彼は気持ちがよかった。嫌なもの、気分を暗くさせ内に閉じ込めていたものから解放されて行く気分だった。すると酔いにまかせて彼はマイクを握った。そうして一曲、例の愛の園を歌い終えた。ところどころ、ドイツ語の歌詞を交えて唄っていた。
Wo ist, wo ist der Liebe ,Liebe Garten?
Für Zwo ,für zwo die alleine, Liebe Garten.. )))
.などと即興に横文字を混ぜて戯れながら唄い終えると、安曇くんは、いや、まいりました、お上手ですなあ、初めて聞かせてもらいましたが、こんな芸があるとは知りませんでした、と目を丸くして人の好さそうな彼は云った。それに気を好くすると夏里は もう一曲、つい最近覚えたばかりの「乾杯」を歌った。彼は歌詞の乾杯をカンペイとなまったように発音していた。大きな大きなと云うところをオオクナ、オオクナとうたい、また、遙かな道のりをと云うところをハルカナ ミツノリヲと歌った。また、きみに幸せあれというところをキムニ シアワスアレと歌っていた。彼はこれを意識的に戯れていた。些か酔いに任せていたにせよ、彼は意図的に戯れていた。声の調子、歌のリズム、音の高低、間の取り方をちょっぴり考慮に入れ長渕に倣いつつ、また、それが自己流といわれようと、このような調子で歌い戯れてみたかったのだ。
彼がこうして歌い終わると人の好さそうな丸顔の安曇くんはまた、云った。いやあ、驚きましたなあ。人間観がまるで、変わってしまいましたがな。いやあ、まいりました、とかれは目を丸くして連発してみせた。その後、彼も二、三曲立て続けに手慣れたように歌いまくった。かくいう彼もやはり、うまかった。安曇くんは演歌を歌い、浪花節調のものまで見事に熱唱してみせたのだ。
Fortsetzung >> *
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文芸学者 Prof.イモヌスの知の幅は広い。ドイツ語圏からクラシックに関する分野は固より、現代にも及び、古代や中世はかりか、ドイツ語圏以外ではジョイスの「ユリシーズ」やダンテの「神曲」、カトリックの大教父アウグスティヌスや更に、北欧の「エッダ」まで取り上げているかと思えば、日本の古典からは謡曲の「谷行」や民話の「夕鶴」などにも触れ、よく知れた作品が次から次へと著作に列挙されているのだからたまらない。
安曇くん、きみはシェイクスピアの研究に没頭しているようだが、シェイクスピアと云えば、ゲーテなども若いころに薫陶を受けていてだね、戯曲を作る際に短い場面を次々に展開していったなどは、その影響と云うのだよ。
まあ、それはそれとして、文芸学者イモヌスさんが どんな作家や作品に触れているか、ザッハリッヒに見ていってみようかと思うが、安曇くんも、英文学の範疇を超えて、ドイツ語にもドイツ語圏の文学にも興味を示してくれるなんて素晴らしいな。それでだね、ちょっとばかり列挙していくとこんなのが取り上げられていて脳が活性化していくのが分かる。と道之助はマイクを置きカウンターに戻ってきた安曇くんに声をかけていた。彼はグラスから一口飲みのどを潤すと、丸顔からパッと目を見開き、それでは聞かせてもらいましょうと云った。
まず、眼に入ってきたのが「青い花」でね、これは原題がハインリッヒ・オフターディンゲンと云うのだが、ロマン派の詩人ノヴァーリスNovalisの詩と散文からなる作品でね、次には クライストKleistの「ペンテジレーア」という作品が取り上げられている。それからアイヒェンドルフEichendorffからは「幻の大理石像」や「タウゲニヒツ」つまり、「のらくら者」。また、同じロマン派からは後期のホフマン Hoffmannの短編「黄金の壺」Der goldne Topf、これは人間の眼には緑の蛇にしか見えない三姉妹の一人ゼルペンディーナに若い大学生アンゼルムスが、彼は後に詩人となるのだが、眼にとめて、 やがて恋をする幻想怪奇小説の手本みたいな作品でね、これはわが国でもよく読まれている作品で面白いと思うから推奨してもいいと思うがね、・・