恩寵と秘蹟の物語:マルス:文芸学夜話:ホフマンと幻想怪奇小説
けれども そこからは 不思議さも感じられる:
こころと心が ひとつに融けあえば それで
じゅうぶん 満たされる
また、パン職人オトカーがいつも口ずさんでいるグリルパルツァーの詩には、こんなのもあった。:
・ ブルリッチの塩は 結婚式に
花嫁が いなくてはならぬように
消化には なくてはならない
クルプフルツの狩人も 食事には
ブルリッチの塩は 欠かさなかった
S. 278. Reclam より
また、嘗て、グリルパルツァーの詩から、ジッパー会社の広告には、こんな詩も引用されている。:
・リビドーは 憧れと一対だ
肌をみせる異教徒から 得られるものはなにか
わたしも 服を身に着けないのが好きだ
ジッパーからは 美的な感覚が 伝わってくる
また、靴下会社の広告には、こんな詩の一節が使われた。:
・ 女性は 男の脚に うっとり
男の自分には それは 全くない
また、発砲ゴムマットレス会社の広告には、こんな詩が見事に取り入れられている。:
・ あなたは 今日も疲れ果て 眠りにつきたい
昼も夜も 心身を 使い果たしたのだ
さあ スマホから離れ 横になるがいい
ヤンハーゲルに チューニングすれば 癒される
S.279. Reclam より
また、州選挙では 与党のある党派は次のような詩を引用し宣伝に活用した。:
・ 至って 順調 ! 静かな 祝福を !
モラルが尊重される党なら
平和が護られ 安全も保障され
州の発展は 間違いない 7⃣
* * ) )) 引き続き、Prof.イモヌス先生文芸夜話へ
また、19世紀からはだね、ホフマンスタールからとりあげられていて、「672夜の物語」とか「影のない女」など、そして、20世紀からはだね、ニーチェのかの「ツァラトゥストラはかく語りき」Also sprach Zarathustraなど、安曇くん、きみも知っているだろうがね、それから、カフカからは長編の「城」Das Schlossや「審判」Der Prozessなど、「城」は麓の近くには来たものの、なかなか辿り着けないという象徴性に満ちた話であり、「審判」は突然、何の前触れもなく逮捕されてしまうという不可解で、不条理な物語なんだがね、それから、そう、T.マンからは「「ファウスト博士」など、ムージルからは「特性のない男」Der Mann ohne Eigenschaftenなどが取り上げられているのだよ。 あ、そうそう、ここでちょっと憶いだしたのだがね、作家の中村慎一郎氏によれば、この「特性のない男」に関して、こんな面白い見解が述べられているんだよ。それはだね、こんな内容なのだがね、と道之助は何と記憶から引っ張り出してくるのである。 つづく
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