左端から見れば全部右寄り Part 8
11.岸田内閣の支持率
岸田総理の支持率が相変わらず高いようです。
私は基本的に自民党支持者ですので、本来なら喜ばしいはずなのですが、実際は素直に喜べません。
総理はネットの保守層の間では『検討士』などと揶揄されていますが、言い得て妙だと思っています。
とにかく『検討する』『検討の準備をする』『検討を重ねる』『検討を加速させて行く』などの答弁が多いんです、しかし『検討する』は『今すぐやるつもりはありません』と言っているようなものですよね。
実際、『検討してこういう結論に達しました、ですので、こういう政策をとります』って聞いたことあります?
岸田さんの政策の目玉に『新しい資本主義』があります、過度の競争原理が格差の拡大を招いているとして、成長と分配の好循環を謳っていますよね、企業の内部留保を吐きださせて賃金をアップし、好調な消費を促して、この30年間ほども停滞している日本経済に活を入れようと言うもので、理念としては賛同できます、ですが、現実には賃金が上がらないままにインフレだけ起こっているんじゃないですか? そのくせ増税にだけは意欲的なようですが。
ロシアのウクライナ侵攻や依然として収まらないコロナ禍の影響もあるでしょうが、少なくとも私には何か具体的な施策が打ち出されて実行されているようには見えません、どんなに美味しそうに見えても絵に描いた餅は食べられませんよ。
コロナについてもなんだか消極的に見えます。
シオノギ製薬によって、飲み薬の開発がかなり進んでいるはずですよね? その情報は何故出て来ないのでしょう? 認可手続きは進んでいるんでしょうか? 国産ワクチンも然りです。
それ以前に『2類から5類へ見直したらどうか?』と言う提言もあるのに『検討』された形跡も見えません。
TVでは相変わらず『感染者数』を流し続けていますが、感染力は強いものの毒性は低いオミクロン株に移行しているのですから、報じるべきは『重症化患者数』や『ベッドの空き状況』なのではないでしょうか? 風邪程度の軽い症状や無症状の感染者数をカウントする意味が分かりません、意味があるとすれば、未だに『コロナは依然として猛威をふるっている』と言い続けたいだけでしょう?
そうやって煽るのはワクチンを接種すると医師会が儲かるからだ、などと言われていますがどうなんでしょう? 現実、国民はもうそれほど怖がっていないんじゃないでしょうか? むしろ感染したり濃厚接触者になったりして隔離されることが嫌だからマスクをかけてる、と言う方が多いのでは? 大票田を持っているらしい医師会に配慮しているだけならば、国民生活とどちらが大切なのだ? と問いたいですね。
ウクライナ情勢に関しても優等生的な態度に終始していますよね。
一応、反ロシア、ウクライナ支援の立場を取っていますが……それだけです。
ロシアが大苦戦して国力が弱まり、プーチン大統領の力も弱まっている、これを『好機』と捉える考えはないようです、多少なり国民生活に影響が出るとしても、ここで経済的にでも良いからロシアを叩いて北方領土を奪還すると言った積極姿勢は見られません。
GW、総理は外遊していましたが、ローマ教皇と会って『核兵器なき世界の実現に向けて協力』することで合意して来たようです、いやいや、そんな話なら小学生でもできるんじゃないでしょうか? 核兵器なんてなくすのが一番なことは誰だって知ってます、でも現実に核兵器保有国はそれを手放そうとはしませんし、実際に核を手放したウクライナは侵攻を受けているじゃないですか、その現実をどう捉えてどういう行動を起こすべきなのか、少なくともそれくらいは話し合って欲しいものです。
もっとも、相手がローマ教皇では具体案は出るはずもないですが……この連載でも『平和の祈り』として、ローマ教皇は日本で核根絶を口にするのではなく保有国でそれを言ったらどうなんだ? と書いたことがあります、唯一の被爆国・日本ではひたすら犠牲者のために祈り、核保有国にこそモノ言うべきでしょう? 向かい合うべき相手と距離を置いてお題目ばかり……岸田総理もローマ教皇と変わらないですね。
それどころか岸田総理は、安倍元総理がアメリカとの『核シェアリング』を提唱した際には『検討』すら拒否して却下してますよね、『ヘイワ、ヘイワ』と唱えるのは宗教家にでも任せて、政治家ならば現実的、具体的にどうしたら侵攻を防げるのか考えて頂かないと。
そのくせ国民のためにならないことだけは決断が早いです。
先日、韓国の大統領が代わり、新大統領の就任式に出席を求められて林芳正外相を派遣しました。
何やってるんですかね? 呆れるのを通り越して失笑してしまいますよ。
安倍・菅時代、韓国とは徹底的に距離を置く態度に徹していたのに、ホイホイと外相を派遣する、こちらから握手を求めに行っているようなものではないですか。
実際、その就任式の当日に韓国は竹島付近のEEZで勝手に海洋調査を始めました、わざわざその日を選んだのは前大統領の指示なのか新大統領の指示なのかを不明瞭にする狙いなのかも知れませんね、もし日本側が強く出たら『あれは前大統領の指示だ』と言い逃れるために。
で、林外相がそのニュースを耳にしていないはずもないのに、抗議の一つもせずに帰国……そんなんだから『ハヤシ・ヨシマサじゃなくてリン・ホウセイだ』なんて言われるんですよ。
韓国はここへ来て通貨スワップの再開を求めて来ていて、岸田首相はあいまいな態度を取っています、更に韓国は『いわゆる慰安婦合意は無効であり、10億円は返すから岸田首相の謝罪を求める』と言って来てます。
EEZ調査の件もそうですが、韓国では大統領が代われば前任者の約束は全部反古にしていいと考えているようですね、王朝が代わるごとに前王朝の血筋や重臣を根絶やしにして来た歴史を未だに踏襲しているかのようです、大統領経験者はことごとく何らかの理由で逮捕され、有罪判決を受けるのが最早お決まりになっています、そう言えば『散歩中に崖から転落』して亡くなった元大統領もいましたっけ。
ここで岸田総理が謝罪でもしようものなら、政権が代わる度に『振出しに戻る』ことを認めるようなものです、絶対にそんなことをしてはいけないのですが、ホイホイとやらかしてしまいそうで心配です。
で、そんな岸田総理の支持率が高い……その辺りに日本人の『お人よしぶり、お花畑ぶり』が現れている気がします。
理想論ばかりを口にして事を荒立てず、急激な変化を求めず、自国の防衛に関して危機感を抱かず、どんな相手にもにこやかに握手を求めに行くと言う……。
岸田さんのやってることと言うのは、幹事長や外相などの重要ポストを腹心で固め、政敵(高市さんのことです)を冷遇し、侵略して来そうな相手には何も言わず(遺憾くらいは言いますけど、何ら手は打たない)、失点しないように気を払って長期政権を画策している、それだけです、憲法改正など頭の片隅にもないでしょうね。
作品名:左端から見れば全部右寄り Part 8 作家名:ST