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端数報告6

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画像:サイエンス言誤学コルホーズ農場
 
新藤健一の『写真のワナ』という本は、1984年に出ている。この本がまたこんな調子で、
 
画像:写真のワナ金日成の肖像画
 
昭和の間は完全に日本のインテリゲンチャ達が金日成を恐怖の独裁者とわかってよさそうなもんなのにそう見ずいたのがわかるだろう。ねえ。なんで気づかないのか不思議になる文章だよな。
 
これが《あらゆる角度や視点から》だとか言ってる人の文章。いや、どう見てもものすごく変なひとつの角度からしか物事を見ない人としか思えんのだが。
 
今では《北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)》と書くのが慣例のところを逆というのもなかなかすごい。本には書いていないけど、絶対この人【韓国が先】と思っていたに違いない。撮って見せてもおもしろくない感じなので撮って見せぬが朝鮮戦争の時代に起きたひとつの事件について書いたところで、
 
   *
 
「大須事件における在日朝鮮人のばあいは、自分たちの祖国がアメリカをはじめとする外国の侵略軍によって踏みにじられている現実を目の前にしていたのです。しかも日本がその前進基地になっていました。(略)」
 
   *
 
なんて書いてるところもある。これだけではハッキリとは言えないが、でもハッキリ言っちゃってねえ。
 
そしてこいつだけでなく、まったく同じようなやつらがジャーナリストを名乗り、帝銀事件をGHQの実験だと言っていた。あのセーチョーもそう言うのだぞと。
 
一方で頭がマトモな普通の人は、〈仁科の妻〉と同じように平沢を「あんな極悪人、早いとこ吊るしてしまえばいいんだ」と言っており、【朝鮮戦争は韓国が先に】というのにも「んなバカなことあるわけねーだろ」と言って笑っていたわけである。まだ1959年頃には。
 
それがおわかりいただけたと思うところでひとまず終えるが、この話はまだまだ続くぞ。
 
作品名:端数報告6 作家名:島田信之