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端数報告6

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と言われてしまう。主人公は、
 
「そうか。それは考えなかった。つい逃げてしまったんだ」
 
と言うしかなくなる。そこでまた、
 
「『つい』ですって? そんなんで、絶対殺しをしないと言えるの? ついやってしまうかもしれないじゃないの」
 
と言われてだんだん自信がなくなってくる。おれはほんとに人を殺してしまうのだろうか?
 
――と。こういう具合に話を作るべきであり、それでこそ見ておもしろいものになる。それがサスペンスってもんだろう。
 
とおれは思ったがトム・クルーズがやるもんだから『ミッション:インポッシブル』になってしまうしスピルバーグに監督さすから話が『インディ・ジョーンズ』になってしまう。それで前半はアクションでごまかせるからいいとしても、後半になって話はメタメタ。
 
当たり前だ。どうせ脚本が出来てもないのに見切り発車で始めたんだろ。だからそういうことになるんだ。わかり始めただけでやるからグチャグチャで終わる『マトリックス レボリューションズ』。
 
だと思ったというところでゼロ年代前半の話は終わり。続きは次回で。

作品名:端数報告6 作家名:島田信之