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端数報告6

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でもピペットで上の油を取るよりマシだ。「私はコレで会社をクビになりました」、と言えば禁煙パイポ。そう言やセーチョーが『小説』に【ハイポを先に飲んでおく】という手を書いていたけどハイポというのは正しくは、〈チオ硫酸ナトリウム〉と言うらしい。
 
この本には《など》ともあるし、名前が似てるからそれもほんとに解毒剤になるのかもな。前に書いたことと違うが、案外ほんとに平沢はそれを飲んでいたのかもしれんね。戦争末期に青酸カリは、〈自決用〉として配られることもあったとされる。
 
松本零士は終戦の際、おばあさんに、
 
画像:おまえはサムライの子
松本零士『昆虫国漂流記』〈黒柳徹子のコドモノクニ〉BS朝日2016年3月放送より
 
と言われた話をあちこちでしている。平沢の父親は憲兵だった。
 
画像:憲兵官舎で生まれる
 
てことはおんなじようなことをまわりに言いそうなやつってことだ。中には部下に青酸カリを配りながら、自分はこっそり解毒剤を先に飲んでおこうとしたり。
 
部下の方も「青酸を飲め」と言われた場合にそなえて、〈チオ錠剤〉というやつを服に忍ばせておこうとしたり。
 
そんな話が実は当時に憲兵なんかの間であって、平沢は父の関係から聞いていた――。
 
などというのはもちろん想像の域を出ません。まあゴキブリは前回の時点で既に踏み潰してると思いますので、今日のところはこれでおしまい。それではまた。
 
 
   *
 
 
訂正:安田銀行荏原支店の方が「色も味も醤油を薄めたようだった」とされている。
 
また補足だが、下に見せる『小説帝銀事件』のページで荏原では1ccから1.5ccとあるのがほんの数滴、帝銀椎名町で5ccというのが茶さじ3分の1ほどの量ということになる。
 
また、ログ中に、
《記述から察するに、警察が「上の油を飲んだんじゃないのか」と言うのに対して(学者が)笑って、
「いやそんなこと、ワタシだったら絶対イヤです」
と言ったというのがやはり本当のところじゃないかと思える》
と書いたのも、ここに
《警視庁の最初の推定では》
うんぬんと書いてあるところによる。参考まで。
 
画像:小説帝銀事件72-75ページ
 
再訂正:荏原支店の方が茶さじ3分の1でした。この話は忘れてください。
 
作品名:端数報告6 作家名:島田信之