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端数報告6

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なんてなことを学歴だけは立派でも頭はカラッポでなんの能もない人間がどいつもこいつも考えるようになっているのがハッキリわかるが、厚労省の役人もやはり全員がそうであり、ほんとは終息しているものをしてないように見せてんじゃないのか。
 
疑ってると案の定で、新聞の縮刷版をよく見れば、
 
画像:コロナ新聞記事陽性率2020年7〜12月
 20年7月  8月  9月  10月  11月  12月
 
こんなものが読めるのだった。2020年7月から12月までの検査状況。割合は横這いなのに東京で週に2万8千、4万2千、5万7千つまり日に4千、6千、8千人と検査する数をコッソリ増やし、
「今日は280、さらなる拡大!」
「今日は420、さらなる爆発!」
「今日は570、もうダメだ、もうおしまいです!」
とやっていた。こうやることでコロナが日本語を学習し、次の段階に進化すると思ってでもいたのだろう。けれどもそうはなることなく消えてしまい、去年の夏を過ぎるともはや日に6千を検査しても30人とかいう始末。
 
てえのが次に見せるこれだ。去年の年末。陽性率のデータが載った最後の記事だが、
 
画像:コロナ新聞記事12月末
 
東京で週に4万ちょい。日に6千を検査して0.4か0.5パー。この程度が厚労省が検査できる限界だというのがわかるし、この頃実際に、「今日は24人」とか、「30人」とか、そのくらいの数を言っていた。
 
検査人数が日に1千なら「4人」か「5人」だったわけだ。コロナウイルスの流行はとっくに完全終息しており、毒性も感染力も失って細々と命脈を保つばかりとなっている。それでは困る。どうしても、日本人の半分と世界の9割を肺炎で殺してもらわぬことにはエリート達の立場が無いから〈オミクロン株〉などというものをデッチ上げ、「これこそ恐れていたものだ」ということにした。
 
というのがわかる。コロナは〈スカイネット〉であり、オミクロン株は〈ジェニシス〉、あるいは〈リージョン〉だ。『ターミネーター 新機動』や『ニュー・フェイト』で〈スカイネット〉に代わり、人類抹殺をもくろむもの。しかし映画を見てもサッパリわけがわからず、人類を根絶やしにしてどうするのかの説明もない。
 
あのシリーズはもともとそうだが、ほんとは終わっている話を無理に続けるために新たな敵を出し、ちゃんと説明ができないために話がグダグダになっている。〈オミクロン株〉はそれと同じだ。これまで以上の脅威が現れたように言うけどどう違うのかわからない。感染者が多いだけか。その感染者もどこにいるのか。
 
――と、ここで話が戻るが、今年になってこの2ヵ月で東京で62万、全国で334万人の感染が新たに確認されたという。それは東京で20にひとり、全国で36人にひとりの割だ。だが本当に、あなたのまわりにそんな割合で今年になって検査を受けて「陽性」と言われた者がいるだろうか。
 
20や36にひとりどころか、千にひとりもいるか怪しい。のじゃないですか。どうでしょう。検査を受けた人間がそもそもまわりにぜんぜんないようなのに、なんでどうして検査で「陽性」と言われた者がそんな割合でいると言うのか。
 
それは一体どこにいるのか。おかしいとは思いませんか。さっき見せた画で去年の暮れに東京で週に4万、日に6千を検査してたのがわかります。この態勢を変えてないなら、1万人や2万人を確認できるわけがない。
 
検査人数を増やしたのか。だがそれだって話がおかしい。【日に6千】を変えなくても、〈陽性〉と出たのが千人ならば、
「今日は1千の感染を確認! 6000を検査したうちの1000、17%です。東京都民の200万が感染してる計算になります!」
と言えばよろしい。2千になれば、
「今日は2千の感染を確認! 6000を検査したうちの2000、これは3分の1です。東京都民の400万が感染してる計算になります!」
と言って、3千人ならば、
「今日は3千の感染を確認。検査したうちの半分です。東京都民の600万、ふたりにひとりが感染してるということに!」
と言って最後には、
「今日は6千の感染を確認。6千人を検査してその全員が陽性でした。東京都内でコロナに感染してない者はもうおそらくひとりもいません!」
と、言えばいいので【日に6千】を変える必要があるわけないのだ。検査人数を増やしたとしたらそれは誤ったやり方である。確認数がどれだけ増えても一般都民の大多数はなんの危機感も持つことなく笑いながら歩いていた。なぜそういうことになるかと言えば割合が示されぬからだ。「今日は○人」と言われるとそれで全部のように聞こえてしまう。1200万人中の2万人は600にひとりだ。それで全部のように聞こえるので、
 
「まだ大丈夫なんだろう」
  
という感じにさえなってしまう。増えることでむしろかえって、
 
「一体全体、いつになったら〈波〉が来ると言うのか」
 
という感じにさえなってしまう。【感染者数】を徒(いたずら)に増やすためにそうなるのであり、日に何人を検査してるか言わず割合を示さぬことがそのようなムードを生み出すのだ。一般市民の大多数は何かおかしいと感じてる。マトモな頭を持つ者はマスコミや政治家の言葉を信じていない。マスクを着けて道を歩き、冬なのに窓を開けるのはコロナでなくてコロナを信じる狂った人間が怖いからだ。
 
そして何より、検査人数を増やしたとして、日に何人に増やしたのだろうか。3万だろうか。5万だろうか。2月のアタマに2万を超える数を言っていたのだからそれ以下ということはない。去年の末に【日に6千】だったのを元旦から急に5倍の【日に3万】に態勢を強化したものとすれば、60日間に東京で180万人の都民を検査したことになる。全体の15%。7人にひとりが今年になって検査を受けて陽性なり陰性なり言われてなけりゃならないという話になるが、あなたのまわりにそんな数で検査を受けた人がいますか。
 
いないでしょう。【日に5万】なら5×60で300万。東京都民の4人にひとりが今年になって検査を受けていなけりゃならない計算になる。【日に10万】ならふたりにひとりだ。もちろん東京都だけでなく、数人にひとりの割で今年になってコロナの検査を受けて陽性か陰性か言われてなければおかしいのは日本全国どこでも同じだ。しかしどうでしょう。いますか、そんな割合で、そんなに検査を受けた人が。
 
いない。明らかにすべてが嘘だ。厚労省は実際には、今も一日に数千人しか東京で検査していない。そして日に10人も〈陽性〉の者を見つけてなかろう。〈オミクロン株〉は〈ジェニシス〉であり、『ターミネーター3』がダメで『4』もダメであったから起死回生の一発としてSF作家を集めて案を練らせたけれど何がなんだかわけのわからん話になっただけだったあれと同じものなのだ。こんなふうな、
 
画像:ジェニシスのカウントダウン アフェリエイト:ターミネーター新機動
 
作品名:端数報告6 作家名:島田信之