火曜日の幻想譚 Ⅳ
443.END
前に読んだ本を読み返していたら、結末が違っていた。
あれ、最後この人死んだっけ。思わず何度もそこだけ読み返し、納得がいかなくてネットでも検索する。どのネタバレ付き感想を読んでも、一様に彼女は死んだことになっていた。
自分だけ異世界にいるようだ。まさかと思うが、ここはパラレルワールドなのではないだろうか。あの本の結末だけが違っている世界、そこに自分は迷い込んでしまっているのではないかと思うほどに、この事実が受け入れられない。
こんな事、誰かに話すこともないし、話したところで鼻で笑われるだけで、誰も理解してくれないだろう。でも、孤独感というのは、こういう小さなことから生まれるものなのかなと、ふと思った。