ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
口臭
「口のにおいが病気なのか?」
と不思議に思うかもしれないが、WHOの国際疾病分類によると、「口臭」は、消化器系統の疾病に入っている。
ただし、口臭でも、食物(ニンニクなど)の影響で、一時的なものは病気から除かれる。
恒常的な口のにおいが病気である。これを、「真性口臭症」という。
しかし、多少の口臭は、すべての人にあるものだ。
特に加齢にともなって、口臭は増加する。これを正常範囲か異常か、線を引くことは難しい。
教科書の記述によると、「真性口臭症」とは、「口臭の程度が、社会的容認限界を越えた場合」とある。
それでは、「社会的容認限界を越えた」と、誰が判断するのか?
これが難しい。
結局のところ、患者さんが目の前に来た時、「真性口臭症」かどうかを決めるのは、診察した医者である。
患者さんが私の診察室に来れば、「社会的容認限界」の「社会」とは、私のことになるのだから、バカにしてはいけない。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白