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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
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ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座

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高血圧



 血圧はいつも一定ではない。
一日の中でも、朝の起きぬけが一番高いことは知っておいたほうがよい。
「早朝高血圧」といって、高血圧の初期の症状である。
自宅に血圧計を備えている方は、昼間や夜など、一日に何回も測るより、朝一回測ることをおすすめする。
朝の血圧が問題なければ、大体OKだからだ。 

 そのほか、いろいろな要因で血圧はしょっちゅう変化している。
家で猫と日向ぼっこしている時と、仕事中ではかなり違うし、一杯飲みながら「寅さん」のDVDを観ている時と、病院で患者さんにクレームをつけられた時でも相当違う。
精神的な緊張で上がるのだ。

 血圧が精神的な影響を受けるもう一つの例は、自宅の血圧計で測るより、医者に測ってもらうと高くなることだ。
患者さんは不満に思うが、それが正常な証拠である。
自宅でも医者の前でも同じなら、わざわざ病院に行く必要がないだろう。

 これを「白衣高血圧」という。
白衣の威力は大きい。
私でも白衣を着ていると、患者さんは私を尊敬の眼差しで見るようになる。
家の中でも白衣を着ていれば、猫はもっと私を尊敬するだろうか。

 だから、血圧測定で重要なのは、リラックスすることだ。
私は患者さんに
「肩の力をスーッと抜いて、一番好きな景色を思い浮かべるといいですヨ」などとアドバイスする。

 広々した海の景色や、愛するペットの顔などがいいだろう。
奥さんの顔を思い出すのは、人によって効果が違うので、一概には言えない。