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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座

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 おととしの一月末だった。
ある土曜日、朝起きると、左耳が塞がった感じがした。
〈耳アカが詰まったのだろう〉と思った。
耳をほじったりして様子をみていたが、いっこうに治らなかった。

 そのとき私は、もしや「突発性難聴」ではないかと思った。
急に耳が聴こえなくなる病気で、私が知っているのは、耳アカ以外は「突発性難聴」だったからである。
この病気で重要なのは、早期発見、早期治療である。
治療が二週間遅れると、難聴は治らないらしい。

 それと、注意しなければならないのは、高齢者の場合だ。
年とると耳が遠くなることが多い(老人性難聴)ため、「突発性難聴」に気づかないで、病院に行くのが遅れることがある。
なんでも年のせい、と諦めてはいけないのだ。

 私も高齢者の仲間ではあるが、まだ「老人性難聴」は早いと思った。
さすが医者だけのことはあって、正しい判断をしたようだ。
 
 私は、午前中すぐに耳鼻科を受診した。
オージオメーターで聴力の検査をすると、左耳の感音性難聴だった。
担当医は、
「内耳のダメージがありますネ。突発性難聴の初期と思われますので、プレドニンの内服をしていただきます。月曜日に再検査して、回復していなければ、一週間、入院して点滴しましょう」と言った。
「ダメージがあります」と言われて、私は心に大きなダメージを受けた。