ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
アルツハイマーで、脳の一部の神経細胞が死滅しても、トレーニングすれば、他の脳細胞が代償して十分な働きをするらしい。
私は感動した。最後まで諦めないで努力することが重要なのだ。
アルツハイマーの薬として、アメリカの大学で開発された「レンバー」という薬は有望らしい。
イギリスの患者さんが、この薬で良くなっている様子が紹介されていた。
最後に、
「アルツハイマーは、検査で、そうとう確実に予知できる」というレポートがショッキングだった。
四〇代の健康な人をPET/CTで調べると、かなりの人に、アルツハイマーの前兆が見られるとのことだ。
使いすぎた脳の部分だけ、アミロイドβがたまって、血流異常が認められるというのである。これは大変なことだ。
そんな重大なことを予想されたらどうしよう。
予想されてもどうしたらいいのだろう?
ただ、困るだけではないだろうか。
私が、そんなことを言われたらショックだ。
今だって、不安と苦悩の毎日を送っているのだから、明日から病院に行かなくなるかもしれない。
そうなっても、病院は困らないだろうが、猫は困るはずだ。
かりに、私が四〇代だとしても、その検査は受けたくない。
治療法のない病気の予知や、それを本人に告知することは問題が多いからだ。
遺伝子異常のため、将来、発症が予想される難病と同じように、「アルツハイマー」の予知は、慎重な取り扱いが必要だと思う。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白