ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
最初に紹介されたのは、岡山県に住む農家のお父さんである。
この人は、「正常圧水頭症」という、脳脊髄液が多く溜まる病気のために「認知症」になった人だ。
髄液を抜くことによって脳圧が下がると、症状はすぐによくなって人が変わったようだった。
コンバインを操作する技術は、発病前より上達したのではないか、と思われたほどだ。
〈どの「認知症」もああだといいナ〉と思ったが、そうはいかない。
「正常圧水頭症」による「認知症」は、「認知症」の約一〇%だ。
それでも全国に三〇万人ぐらいいると推定されているから、治療によって完治する「認知症」も多いということである。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白