ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
患者さんから「少しだったらタバコ喫ってもいいでしょうか?」と聞かれて、
「少しならいいでしょう」と答える医者は、間違いなく、自分でもタバコを止められない医者だ。
「先生、少しならお酒飲んでもいいでしょうか?」と聞かれて、
「少しならいいよ」と答えるのは、酒好きの医者(私など)に間違いないのと同じだ。
タバコを喫う本人がいろいろ病気になるのは自業自得だから仕方ないが、問題は受動喫煙(関接喫煙)の被害である。
一日二〇本以上タバコを喫う人の奥さんは(もちろん本人は喫わない)タバコを喫わない人の奥さんより、肺ガンにかかる危険が二倍多いというデータがある。
対策としては、奥さんもタバコを喫って、旦那を受動喫煙の危険に曝すことが考えられる。
だいぶ昔の話になるが、新幹線の車輌には禁煙席のほかにタバコを吸ってもよい車輌(非禁煙車輌)があった。
この非禁煙車輌はタバコを吸う人からも敬遠されたそうだ。
空いているときは、最初は禁煙席に座る。
タバコを吸うときだけ、非禁煙車輌に移動して、吸い終わると禁煙席に戻るという。
よくそんな面倒くさいことが出来たものだ。
これほど受動喫煙を避けるために健康に留意してタバコを吸う人は表彰に値するだろう。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白