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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ドクターヤブ田の、血液型大研究

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「私はAなのよ。何型だと思った?」と女性が聞いた。
「Bかと思いました」と男は答えた。
「そうなの。私もよくBだっていわれるの。でも、Aなのよネ。
AとOとは合うのよ。よかったワ」と喜んでいる。〈勝手にしろ〉
「AとBとは合わないっていうでしょ。
でも、女の人のBは大丈夫なの。男のBは合わないワ。
私の知ってるBの男は、自分が間違っても、絶対に自分の過ちを認めないの。」
〈それは、いくらなんでも血液型のせいじゃないだろう。血液型がかわいそうだ!〉

ABの話は出てこなかった。
私がもし同席していたら、どんなにひどいことを言われたかわからない。

そのうち、少し学問的な話になった。
「両親がAとABなのヨ。子供にOはできないのかしらネ」と言っている。
〈できるわけないだろう。ABの遺伝子はAとBに分かれるし、Aの遺伝子はAかOに分かれる。
子供がO型になるのは、両親からO遺伝子がきて、OOになる場合に限られる。
だから、両親がABとAの場合、絶対にOはできない〉
ところが、その女性血液型研究者はこう言った。
「A型だって、Aが弱いこともあるでしょ。
そういう時は、Oが出ることもあるわよネ」と同意を求めていた。

「イヤ、絶対そんなことはあり得ない」と、
私は前の席に移動して、説明しようと思ったが、弁当を食べるのに忙しかったので止めた。