ドクターヤブ田の、血液型大研究
第2話-新幹線で
新幹線の中だった。
前の三人がけの席で、若い女性二人と男が大きな声で話していた。
よく喋るのは、最近結婚したという女性。
夫のノロケや、義理の姉の悪口などで笑わせてくれたが、突然、血液型の話になった。
男性に「血液型なに?」と聞いた。
「Oですよ」と答えると、
「そうでしょう、そう思ったわ。
男の人はOがいいわよネ。おおらかだから。
でも、Oの中には急に感情的になる人もいるから注意してるの」
〈また始まったか。どうしてこう血液型が好きなんだろうーーー。
その感情的になる男っていうのは、アンタのダンナのことじゃないの?〉
と私はうんざりした。
よくマアここまで、日本全土に血液型による性格決定学説が普及したものだ。
ところで、ABO式血液型とは何だろう?
赤血球の表面にあるタンパク質には、いろいろな糖(ブドウ糖など)がついているが、その糖の種類によってA,B,O,AB型が決まることを、皆様はご存知だろうか。
赤血球の糖の違いで、性格が決まってしまうなどというオソロシイ事をどうして人は信じられるのだろうか?
作品名:ドクターヤブ田の、血液型大研究 作家名:ヤブ田玄白