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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ドクターヤブ田の、血液型大研究

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「ところで、男でもABがいるのヨ」
〈当たり前だろ。いないわけないだろう〉

「ヘエ?」と部下たちは感心していた。
〈なんでそんなところで感心するんだ〉

「父親がABなの。」
「そうですか。 やっぱりふつうと違うんですか?」と反応した。
ABはふつうではないらしい。
私はふつうの人間だと思っていたが、そうではないのか。
ふつうの人間でないとしたら、何なのだろう?
異常な人間でないのは確かだから、私は、人間以外のふつうの何かである。
もしかすると、ふつうのカタツムリかカブトムシかもしれない。

彼女は、
「ソウなの。気分にすごいムラがあるの。
それも日によって変わるとかいうんじゃなくて、一日のうちにハイになったり落ち込んだりするのヨ。とてもついてけないワ」と言った。
「アー、それって二面性っていうんですヨネ。
二重人格ともいうんでしょうか?」
「ソウ、ABの男って本当に大変なのよ。まわりが気をつかうのよネ」と、もう邪魔もの扱いだ。

私はビーフシチューの残りをご飯にかけて平らげようとしていたが、
「オイ、ちょっと待て! ABの男はそんな変なやつばかりじゃないゾ」と一言文句を言ってやりたかった。
しかし、ご飯が喉につかえて何も言えなかったのである。