ドクターヤブ田の、血液型大研究
第9話―O型は気前がいいのか?(実地編)
ヤブ田はかつて、大きな病院で内科部長を務めていたが、同時に検査部の部長も兼任していた。
検査部は大所帯で、男女合わせて50人ぐらいいる。年に一回忘年会があって、ヤブ田も必ず出席していた。
検査部は技師のトップが技師長で、50代の男性だった。
あだ名は熊さんで、大きな声で笑ったり怒鳴ったりという豪快な人だった。
思い出すのは忘年会のことである。
会費は一般の技師諸君は積立金があるので無料、そのほかの役職はいくらか多めに包むのが慣習だった。
ヤブ田は部長であり、熊さんは技師長だから一般技師とは異なる。
無料ではなくて、いくらか祝儀袋に入れて、受付に提出する義務があるのだ。
作品名:ドクターヤブ田の、血液型大研究 作家名:ヤブ田玄白