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横並びをタテにしようとする話


 
画像:グリ森本4冊
 
この4冊を返却期限に返してまた借りるために図書館に行き、そのついでに久しぶりに日曜日の朝日新聞を見てみると、
 
画像:11月7日の記事
 
なんと、コロナの妖精率って、いつの間にかこんな数字になってたんだね。0.4パー! 東京の検査件数が44531の35967ってことは、日に6300人を検査して、
「今日は25人」
とか、日に5千を検査して、
「今日は15人」
と言ってたってことだが、志村けんが死んだ頃のようにこれが日に千人だったら、妖精の数は4人なわけだ。かつては千に65人の割で妖精がいたものだから、割合は6.5%だった。
 
実はこの率はずっと変わらず、テレビが言う話と違って感染が拡大したことはない。2千人を検査して、
「今日は130。感染拡大!」
とか、3千人を検査して、
「今日は195。感染爆発!」
とか、1万人を検査して、
「今日は650! 650もの人がああああ」
と言っていただけなのだ。今に1万検査しても40人にしかならんわけだが。朝日新聞の日曜ごとの記事を見れば誰でもわかることで、恐怖社会が終わった後で〈禍〉なんて全部嘘だった鉄壁の証拠になる。
 
世の中バカしかいないことの鉄壁の証拠にもなるが、夏に東京で週9万。日に1万3千だかを検査してたのが日に6千になりその翌週に5千てことは、検査してる者達に仕事を続けさせるのがいま急速に困難になりつつあるということだろうか。
 
だろうな。ほんとは7月頃に、妖精の数は大きく減って2%かそこらになってたのかもしれない。そこで厚労省は、愚かにも、おれは前にもここに書いたが、
 
「今日は4515人! ああっ、5773人! 今度こそ本当に感染の核爆発で〜す!!」
 
というのをやった。ほんとは日に1万3千検査しても200人で195、190……と減ってる状況だというのに。〈禍〉は官僚が会議室で起こしていたが、しかし現場で実際に都民を検査しているアオシマやワクやスミレが、
 
「おかしいなあ。ウチじゃ昨日は500人を検査して、妖精はたった10人だったよな。こないだまでは日に30くらいいたのに。ここんとこ、12、11、10人と減ってきてる感じなのに。なんでテレビが言うような数字になるわけだろう」
 
と言って隣の地区の仲間に、
 
「そちらではどうですか」
 
と訊いたら返ってくる言葉が、
 
「いや、ウチもそうなんだけど」
 
ということになったのを、厚労省が気づいて、
 
「まずい」
 
と言ったが後はボロボロに崩れるばかり。現場で検査してる者らは、かつては千に65人、15人にひとりの割で妖精がいたのに今では200に1の割合でしかいないのを知るわけだから検査態勢を強化なんかしたら一切が嘘だと気づく人間の数を増やすだけ。
 
なんてところが今の状況なんじゃねえの。海外で艦船が爆発してるなんて話もあるようだけど、怪しいもんだ。〈艦船の確認数〉だけが爆発的に増加、というのは海の外でも、日本の厚労省がやったように、
 
「今日はパリで4515人! ああっ、5773人!」
 
なんてやってるだけと違うか。
 
再三書いてきたように〈感染の確認数〉は〈分数の分子〉であって〈分母なしには意味を持たない数字〉あるいは、〈分母が一律でない場合には乱数でしかないもの〉である。宝くじの券に書かれる数字と同じものなのだ。そんな簡単で当たり前のことがわかる人間がこの世にいない。〈専門家〉だと言われる人間の中にひとりもいない。
 
何か魔物に憑かれたように首をギギギと一回転させ、ペラペラペラペラ未知の言語のようなものをまくしたてる者しかいない。それはエキスパートでなくてただのジョーユーフミヒロズだ。666は悪魔の数字だ、フラグが立って次のビットでそれが揃ってジャックポットが当たるのだと、腐れエリートがわめき散らして百万台のスロットマシンにコインが投入されていただけだったのだ、と世界が知るときまでやはりそんなにはないだろう。「揃う」どころか、〈6〉なんて、
 
画像:スロットマシンのリール
 
こういうやつのどこにもないから当たりなどそもそも出るわけなかったことに。
 
 
 
――と、朝日新聞を久々に見たからしたけど別にこんな話が書きたかったわけではなくてもちろんグリ森事件である。でも前置きだけでまた長くなったしな。前回はコートの話を詳しくまたやると書いたけど、でもその前に、『捜査員300人の証言』て本には、トレンチコートの前のところに、長くなるけど、
 
画像:捜査員300人の証言244-246ページ
アフェリエイト:捜査員300人の証言
 
こんなこと書いている部分があった。予定を変えて今回はこいつについて書きたいと思う。
 
『捜査員300人の証言』て本は題名通り、グリ森事件の捜査員300人に話を聞いて取れた逸話をまとめたものだ。事件から四半世紀の2010年頃に、という、NHKでもなければとてもできないことと言えもしようしその点では、読む価値のあるものと言える。
 
読む価値のあるものと言えるが、問題は、取材相手ひとりひとりの嘘が混じっているかもしれない話をほとんど疑うことなしに、今まで知られてなかったことでありさえすれば、
 
   「NHK取材班だから掴めた新事実!」
 
として並べてしまうことだ。おれから見ればどれもこれもがかなり眉ツバものなんだが、書いてるやつはそう思ってない。
 
そのいい例がこれである。〈寝屋川アベック襲撃〉の件で、〈彼ら〉は脅しに銃を使った。それまで知られてなかったことに、人質にされた女の子の話でそれは〈水平二連〉だという。
 
水平二連と言うのは、
 
画像:トレマーズ アフェリエイト:トレマーズ
 
これか! え――っ!?とまあ、なるほど、おもしろい話ではある。その彼女がそう言うのなら、銃がそうであった見込みは非常に高いものと言える。これは無視していい情報では決してない。
 
それは認める。認めるが、でもねえ。しかし水平二連と言っても、
 
画像:マッドマックスの銃 アフェリエイト:マッドマックス
 
この水平二連じゃねえのか? わかると思うが1979年の映画『マッドマックス』かそのパート2の後で作られ当時結構売られていたはずのオモチャで、おれも中学の頃に雑誌の通販ページでよく目にした記憶がある。当時はまだ「ガスにも」とは書かれていなかったと思うが。〈彼ら〉は別にその銃で何かを撃ったわけでないなら、本物かどうかわからんだろうに。
 
だがこの本は読めばおわかりと思うけれども、
 
「本物だったことに疑いの余地はない」
 
との考えで書かれていて、そのうえで、
《警察はタテ社会だ。捜査方針をころころと変えることがあってはならないのはわかるが、新しい証言が出てきているのに、それが看過されたのはなぜなのか、疑問が残る》
なんて言っちゃってるわけだ。しかしね、おれが赤で囲ったところに注意してほしい。
 
ねえ、 
《短身》
て書いてあんじゃん! 男の方はそれを掴んだ感触から、「短身」と言っているんじゃないか。この人、元自衛隊員なんだよ。なのに、それを無視して女の方が言うことだけ見て、
 
作品名:端数報告5 作家名:島田信之