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端数報告5

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――と、いったところでやれやれ。前回の掘り下げだけで前回よりも話が長くなったけれど、もともと今回、事件の最初の誘拐に戻って勝久氏が着せられたコートの話をしようと思っていたのである。でもそうだな。この話はまた次回に深く掘り下げることにして、今日のところは簡単に済ますか。『捜査員300人の証言』には、コートの話が、
 
画像:捜査員300人の証言246−247ページ
アフェリエイト:捜査員300人の証言
 
こう書かれている。勝久氏が着せられたのはオーバー。
 
画像:トレンチコート
 
いや、これはトレンチコートと言うんだ。ってのはどうでもいいとして、どうもコートをオーバーに、いや、事をおおげさに言おうとしてりゃしませんか、という。海外ドラマの『マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー』から以前におれは、
 
   *
 
アッカーマン「金槌しか持っていないとすべてが釘に見えるんだ。プロファイラーはプロファイリングで犯人が捕まると思ってる。パソコンオタクのギネリは『答はコンピュータの中だ』と言う。この5年間ずっとユナボマーの切手だけを分析している者もいるが、彼にはユージン・オニールの1ドル切手がすべてを解き明かす鍵なんだ。そいつには好きなようにやらせてるよ。理由はそう……まあ、言ってもしょうがない。だがわたしが『やれ』と言ったら、その通りにするんだ」
フィッツジェラルド「わたしは切手係ではなくプロファイラーです」
アッカーマン「切手係も自分がそうとは思っていないよ」
 
画像:マンハント番組タイトル
 
というのを引用したが、この元刑事はここで言われる〈切手係〉と同じなのではあるまいか。
 
自分が追った線からホシが挙げられれば、手柄の一部は自分のものだ。自分が解決したようなものだ。コート、いや、オーバーからホシを割り出したのは自分なのだと人に言うことができる。だからコート、いや、オーバーには意味や意図があったのではないかとずっと言い続ける。
 
のではないのか。でも一体なんだろねこれは。「特定されやすい生地」と言うけど特定できなかったんだろう。ここでは「綿」と言っているけど他の本を見ると「ラシャ」、つまり厚地のウールと書かれている。この人ひょっとして、綿と毛の区別もできないのじゃないか。 
 
いや、まあ、それもいいとして、おれは以前に、
「おれもミリタリーショップで軍用のウールのコートを買って持ってるが、厚地のために袖口などが擦り切れやすい。古いものならどこか傷んでいるために古着屋などで安く売ってたということも」
なんてなことをここに書いた。
 
よろしければ、前に戻って確認してやってください。で、この元刑事の話を読むに、見せた通り、
《生地にはサーベルを差してできた痕が両脇にあって》
とあるのがわかりますね。
 
   サーベルの痕が両脇に。
 
だからそんなもんがあるため古着屋ですげー安く買えたというだけなんやあらへんの? 勝久氏の防寒のために安いコートを探して買った。それ以外に意味などない。怨恨話に飛びつく人種が、切手係の思い込みに飛びついてるだけの話――なんじゃないかと思うわけだが、まだまだ書けることはあるのでこの話はさっき書いたように次回に繰り越して、深く掘り下げ直したいと思います。それではまた。
 
作品名:端数報告5 作家名:島田信之