第四話 くらしの中で
その3
私はパソコンのインターネットでいくつかのSNSに入会した。
初めてのSNSではkeikoというハンドルネームで登録した。
その頃次女が東京の大学を卒業し暫く経って結婚し栃木県へ住むようになった。
私が初めて栃木の娘宅を訪問したのは結婚式だった。
自宅から栃木までの電車の所要時間は12時間の長旅だったが、初めて目にする東北新幹線からの景観には感動したものだ。
その後四年目にして生まれた初孫の世話をする為に長期滞在することとなった。
わづか半年の滞在だったが、その間は夫の居る自宅と娘宅を行き来していた。
怖い相棒から逃れて可愛い孫を守りする日々は幸せそのものだった。
日曜日のお役目放免の日には軽自動車であちこちの温泉巡りをした。
亦、子守りはもっぱら広い畑の道を赤子を乳母車に乗せて大声で歌いながら歩いたり少し遠出したりもした。
私なりに労力と資力を精一杯尽したつもりだったが後に言われたことはちょっとショックではあった。
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子