第四話 くらしの中で
その三
私は子育てのとき子供本人の自由意志に任せていた。
これも児童相談所のカウンセラーに言われてのことだったのでそのことを実際に守って来たまでなのだがそれはそれで良かったと思っている。
世の中の親の中には子供の将来を本人の実力より高めに希望を持ち、進学校を選ぶ場合もそのような学校を選ぶ。
今にして思うのは、それにはそれの良い面があるように思えて来た。だがもう自分が口を出して忠言することは何もないが、娘は子供の進路を決めるのにそのようにしていた。
私にしてみれば、中学に入学してからの成績を知ればそれなりの学校にすればいいと心中思っていたが、娘は私の思いとは違ってとても高い水準で学校を選んだ。
結果として孫は娘の期待通りにそのトップクラスの高校へ入学したので私は意外だった。
作品名:第四話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子