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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

INDEX|60ページ/119ページ|

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「エリック、ホワイトハウスを襲撃するとなったら、それこそ建物自体を攻撃する方が可能性は高いですが、あそこほど頑丈な建造物はないのですよ」

私は続けてエリックを説得していた。彼はかえってウキウキしているように私を振り返る。

「わかってるさ。お前にはまた、偽の通行証を持ってもらう」

「そんな!ポリスは騙せたとしても、ホワイトハウスを騙せるわけがないじゃありませんか!」

私がそう叫ぶと、エリックは立ち止まり、私を振り向いて不敵に笑った。

「あの建物で、唯一自由に動けるのは誰だと思う」

「誰です?」

「分からないのか?大統領本人さ。そのIDを偽造するんだ」

「まさか!」

エリックは前を向いて歩き始め、「そのまさかさ」と言った。私達はその時廊下を折れ、元の小部屋から漏れる灯りが見えてきた。

「大統領と副大統領のIDだけは、偽造を防ぐため、ワンタイムで生成される。それをシステムに侵入してコピーするんだ。そうすれば後は使いたい放題で、25分のタイムリミットが課されるのさ。お前は、声紋や虹彩くらいなら、偽装して情報送信が出来るだろう?」

部屋の中に居たロボットに声を掛け、彼らを立ち上がらせると、エリックはもう一度私を見た。

「言ったろ。俺は大物なんだ」