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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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「これは…」

私の手の中に、ロボットの目の部品があった。それは、アームストロングさんが渡してくれた。

「見覚えはありませんか?ヘラ嬢」

私に心当たりはなかった。だから私は「ありません」と言う。

その時、ソファで仮想ウィンドウをタップしていたシルバ君が振り向いた。

「ありました、アームストロングさん」

それでアームストロングさんも後ろを向き、シルバ君のウィンドウへ近寄っていく。私は手に持った目をどうすればいいのか分からなかったけど、そのまま持っていた。

「ほう、真っ当な家庭用ヒューマノイドだな」

「主人は、ポリスの職員のようです」

遠くに居た私にも、ポリスの職員さんの名前が見えた。

「ジミー・マクスタイン、か。ではまず、この家に行ってみよう。銭形、君も来てくれ」

アームストロングさんと銭形さんは頷き合って、シルバ君は仮想ウィンドウをすべて閉じる。私はその時、ドキドキして、怖かったけど、居間を出て行こうとした二人にこう言った。

「私も連れて行って!」

二人は振り向いて、怪訝そうに首を傾げる。それからすぐに「ダメです」と言った。

「お嬢様、これは危険な仕事です。あなたを連れて行くわけにはいかないのですよ」

アームストロングさんがそう言うから、私はもう一度繰り返す。

「いや!ターカスを連れ戻すんでしょう!?私が行かなくて、どうするっていうのよ!」

銭形さんはため息を吐いて額に手を当てた。

「我々はあなたを守るのが仕事なんだ。こんな事に関わらせたなんて知れたら、クビが危ないんです」

その言葉に私は反論出来ず、その間にドアをくぐっていった二人を睨みつけ、じっと黙っていた。

何も出来ない自分が情けなかったし、ちゃんとターカスが帰って来るのか分からなくて、私は不安だった。

「お嬢様…」

マリセルが心配そうに私を呼ぶから、仕方なく私はテーブルに戻った。