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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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私とメルバは、マルメラードフ氏の運転でまた「ケルン」へと赴いた。そこにはもうステルス化の施されていない白い家があり、私達はまずその家から始めて近辺に何かターカスの痕跡がないか探っていた。

家の中は人が居なくなったもぬけの殻らしい佇まいで、キッチン、ベッドに、テーブルとウサギ小屋があった。大して見る物もなかったので私達は家を出て、広範囲の探索をしようと話していた。

「俺はこっち、銭形殿、あなたは逆の方向を」

メルバは私をあまりよく思っていない。私はそれが少々気になってはいたが、子供の機嫌になど構っていられないので「そうしよう」と返事をして、私達はそれぞれ逆方向へと飛んだ。


燃焼室を開き、レンズをハイスピードモードにして、速く行き過ぎる景色を丁寧に確かめながら飛ぶ。私は白い家の近くを通っていた川に沿い、地面すれすれを飛んでいた。

大分遡ったあたりに、木が何本も倒れている場所がちらりと見えた。

“あったか”

私は、やっと見つけた倒木に近づいていった。

その辺りの草木は焼け焦げていて、地面も、ロボットが地上で高速移動をした時に特徴的な削れ方をしている。ただ、それは大きく長く続いていた。

焼け跡を辿る間にメルバを通信で呼び寄せ、私は地面にまだ何かがないかスキャンをしていた。すぐにメルバは私の所へ飛んできた。

「見つかったのか!?」

「痕だけだが」

私は捜索を続けながら振り向かず答えた。

「これは…」

メルバは驚いたようにそうこぼす。彼にもその焼け跡がどんな意味を持つのかは、分かったようだった。私達は二人で黙々と辺りを探し回っていたが、メルバが立ち上がった気配がして私は振り向く。

「これ、目だよな」

彼は片手にロボットのレンズを持っていた。それはターカスの物ではなかった。私はメルバに近寄り、慎重にその目を眺める。

「帰ってシルバに預けよう。誰の物か分かればターカスを追う事も出来るかもしれない」

「ああ」