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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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第65話 ターカスの死





「ありました。少将、どうしますか」

私は泥の中で、お目当てのポンプを探し当てた。古いコンクリートだ。摩耗はしていないが手触りでわかる。

「人員は全員到達しているか!」

「ええ、200体のロボットと、2名のエンジニアが間違いなく」

「では突入だ!連絡を怠るな!」

「承知しました」

少将の作戦はとてもシンプルだ。狭い建物のすべてを破壊し、炙り出す。ヒトであるオールドマンがそれで逃げ出そうとしないわけがない。ここは地下400mなのだ。これだけの数が居れば、エリックとやらには何もできまいし、ヒトの遺体があったとして私の動きには追い付けない。私は最も困難なターカス捕縛に掛かり、私を含めた第一隊は戦闘員9人リカバリー2人。後方部隊は残るすべてのロボットで、彼らはエンジニアに従って更なる破壊の限りを尽くす。もしターカスを私が捕縛できなければ、彼らに任せるしかない。しかし上手くいくはずだと感じていた。何せあちらもこちらも本気だから。ロボット同士の戦いは本気であるほど短い。


私はもう歩かなかった。足部からの火炎で床をめくり上げさせて破壊し、残る全員もそうした。レンズではなくセンサーで作り上げたシミュレーターで私は空間や物体を感知するしかなかった。私の体からは轟音が時たま鳴り響き、ソニックブームは次々と堅牢を破壊していった。

「発見しました!ホーミュリアのターカスです!これより捕縛します!」

「でかした!」

通信で潜土艦の執務室にある机を叩く音が聴こえたかと思いきや、私は正面から爆撃を5つ食らった。2つは避けたが。

「もう命令が!」

ホーミュリアのターカスの意思はすでにオールドマンのものらしい。予測していたので驚かなかった。私は即座にその場の空気から水素を搾り取れるだけ搾り取りに掛かる。リカバリーが2km後方に下がっているかを確認した。大丈夫だ。

「エルヴィス!決行です!」

私の部隊のエルヴィスはターカスへ磁力錠を投げ、姿を「ヘラ」へと変化させた。「あまりこんな手は使えないかもしれないが」と少将はこぼしていた。通じるかどうかもわからないのだから。

しかし奇跡としか言いようがない、ホーミュリアのターカスはヘラ・フォン・ホーミュリアの偽物を見ただけで目つきを変えて腕を後ろにしまい、その時「しまった」といった顔をした。

「手ぬるいですね…ターカス!」

私はありったけの水素を使いその場を灰にする。私の体のことはリカバリーの2人に任せてあった。2人まで爆炎は届いていない。しかしターカスも機能できるはずがない。私たちはまったく供給がなくなれば5秒で自動的に電源を落とされるようにできている。核融合炉のエネルギーはいくらか残るが、余剰のエネルギーをスケプシ回路に注ぎ込む設計のため、スケプシ回路が機能しない時には稼働しないようになっているのだ。

ああ、上手くいってよかった。追い詰められて純粋水爆でも使われるよりよっぽど…