小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

端数報告4

INDEX|49ページ/58ページ|

次のページ前のページ
 

狐に憑かれて37年


 
毒入り危険、食べたら死ぬで。コロナは口に入ると死ぬで。そう言われている。発生した当初は確かに強い毒を持ち、老人で10%の致死率があった。それがどえらい感染力を持っているなら〈禍〉という状況なのは、聞いてそうかとわかる話だ。
 
しかし見る見る致死率は下がり、半年後には老人でも0.01%になる。それだったら普通の風邪と変わらんのじゃないの。こないだ千葉真一が死んだが、往年のスターが肺炎で死ぬのがそんなに珍しいものですか。だったらチャールズ・ブロンソンも、
 
画像:チャールズ・ブロンソン スター名鑑2009
 
ほら、死因は肺炎だよ、マンダム。とまあそういうわけで、マスゴミが騙(かた)る話に騙(だま)されずちゃんと頭で考えてみればわかるはずだが死んでいるのは貧しい者。世界の貧しい人々が貧しさのため病(やまい)への抵抗力を持てず死んでいるのであり、それをいや増しているのが、
 
画像:トランプ元大統領
 
これに代表される人間。もともと前から自国や他国の貧しい人をより貧しくさせてきた者。いま死ぬ人のほとんどはこいつらによって殺されている、というのが本当のところと気づくべきだが、その影響が比較的少なくて済む日本でも、
 
画像:2020年3月15日の記事
 
アメリカで人が死に出してすぐの頃にこんな話が出るもんだから、
「我が国でも検査を拡充せねば」
ということになり、東京で日に千人を検査して「今日は65人」と言っていたのが2千検査して、
「今日は130。感染拡大!」
と言い、3千検査して、
「今日は195。感染爆発!」
と言うようになる。しかしなんだろねこの記事の下の、
《ウイルス「米軍関与も」ツイート》
ってのは。セーチョーが生きていたなら「そうだそれに違いない」とわめきたてそうな話だけどさ。
 
どいつもこいつもキツネに化かされ馬糞やミミズを食わされているようなものだ。検査拡充は拡大してない感染を拡大してるように見せるだけ。「今日は○人」という数を徒(いたずら)に増やすだけ。検査なんか受けたからって陽性ならば魔女の烙印を押されるだけだし、陰性なら安心かと言えば全然そんなことなく「今は陰性」とわかるだけだ。しかしマスコミや政治家でそれに気づく者がないから記者が首脳を非難して、主脳が苦しい言い訳で応える。ほんとはどっちも何がなんだか話がわかっているわけじゃない。
 
結果として今やとうとう……なんて話をこれまでここに書いてきたので今回もまたその続きだと思った方がいるかもしれんが、そうではなくて今回は、
 
   「毒入り危険、食べたら死ぬで」
 
の話である。グリ森だ。だいたいもともと、おれは『宇宙戦艦ヤマト』の個人リメイク小説を書いていたのを放り出して帝銀事件をやろうとしたのが、コロナのためにそれも途中でほったらかしていたのである。でもほんとは始めた以上、どっちも最後までやりたいのである。おれにとってはグリ森だとかコロナよりそっちの方が大事なのだ。
 
さらに他にもいろいろやりたいことがあるのだ。てわけで前回のログを書いてここに出した後で、まずは帝銀事件について、と考えて図書館に行くと、犯罪関係の書架に見慣れぬ本があった。
 
画像:岩瀬達哉 キツネ目
 
それがこれで、奥付を見ると発行が今年の3月9日とある。えーっ、こんな本が出てたの? おれがおれの〈プロレス説〉を組み立てていたそのさなかに? 事件からもう三十何年も経つのに?
 
知らんかったわ、というわけでまた『ヤマト』も『帝銀』も遠のくことになるけれども借り出して読んでみまして今回はそのお話でございますです。
 
……で、ええとどうしよう。まずはおれの〈プロレス説〉を簡単におさらいしましょうか。あの事件はプロレスだった。犯人達はその〈興行〉でヒール(悪役)を演じていただけで、ほんとの凶悪犯ではなかった。最初のグリコ社長誘拐の時点でカネを奪(と)る気はまったくなく、〈300メートルの男〉のネオン看板を世界的に有名にするのを目的としたイタズラだった。
 
それがやがて企業を脅して億単位のカネをせしめることにシフトするのだが、それもカネが欲しいと言うより「やったで。わしらやってやったで!」と言いたくて。「カネを掴むまでやめられるか!」という気持ちになってしまったため。そしてそれには警察を間に入れぬ裏取引でなければならぬがどうすればいいか、と考えていろいろやったがどれもうまくいかずに終わる。〈彼ら〉は一連の犯行で一円の利も得ていない、というのがおれの推理でした。
 
考察にはNHK『未解決事件』の録画とウィキの記述だけを使い、他には何も参照していなかったが、それは書き始めた時点でもう図書館にも詳しく書いた本がなくなっていたからだ。この春に新しく出るなど思いもよらず、〈帝銀〉もほったらかしていたものだから図書館に行って犯罪の書架を見ることもまったくなかった。
 
だから、まさか、まさかである。気づくのに半年かかってしまったが、おかげでこれまで不明だったいくつかのことが判明したし、思い違いをしていたことも結構あったのがわかりました。
 
だから今回はその話をすることにしよう。最初に言うが、
 
アフェリエイト:キツネ目
 
この本に書かれることに新しいものはほとんどない。細かいことがわかるだけだ。従来通りに犯人グループは凶悪犯、自分達のやることに社会が恐れ慄くのがおもしろくて犯行をエスカレートさせていたものと考えて書かれている。
 
画像:福田充 社会不安型テロ
 
こいつと同じで〈社会不安型テロ〉だった、という考え方だ。この事件について語る多く(と言うか、おれ以外すべて)の人間の考えがそうだというのは皆さんもご存知でしょう。
 
だからダメなんだよ、というのがおれの考えであり、読み終えてそれが変わることはなかった。細かいところはまあいろいろと思い違いもしていたけどね。それを訂正しながら最初から見ていきましょう。
 
 
 
まず第一にこの本の序章、19ページにおれが見てかなり驚かされることが書いてあった。スキャンして見せよう。
 
画像:キツネ目19ページ
 
こうだ。江崎グリコという会社の、
《独特の社風が、捜査員だけでなくマスコミの想像力をかき立て、内部犯行説と怨恨説を生み出し、捜査を混乱させていた》
って? その《独特の社風》ってのがどんなものかはこの本を買って読むか図書館で借りるかして確かめてほしいが、犯人達は、
《グリコとは縁もゆかりもなく、『役員四季報』や「有価証券報告書」を参考に脅迫状を書いていた》
だと? おいおい、おれは前に2002年の〈マブチモーター社長宅放火強盗殺人事件〉の話をして、
「マスコミが『怨恨』と書き立て、警察もそれにマトを絞っての捜査をしたが数年後に捕まったのは、〈会社四季報〉で有名企業の社長宅を見つくろった者達だった」
と書いたがそれとまるきり同じってことじゃん。
 
ちなみに〈マブチ事件〉では被害者の遺族が、
「事件解決につながる有力な情報提供者に一千万」
作品名:端数報告4 作家名:島田信之