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端数報告4

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それはまさに彗星だった。スペインとポルトガルは白色彗星帝国だった。進路にある邪魔な国々を吸い込み、ひしゃぎ、粉々に粉砕していく魔の巨大彗星。また一方、利用し得ると思われる国に対しては、そのどこからか、強力な前衛艦隊が飛び出してきては、攻撃と侵略を繰り返し、彼らに従属する植民地として、人々を奴隷にしていったのである。
 
ダーダダーダ、ダーダーダー。マゼランはもともとそんな艦隊の尉であったのが原住民討伐の褒美として、スマトラ人の奴隷を与えられていた。
 
で、そいつを船に乗せ、マレーにたどり着いたときの通訳としていた。彼の言葉がフィリピンで通じたために地球が一個の丸い玉だと実証されたわけなのである。
 
それが今から500年前。それから後の400年は、悪い白人の時代だった。悪い白人が有色人種を奴隷にする時代だった。マゼランの後に続いてスペインの船が次から次に海に出て、日本を除く世界ほとんどに襲い掛かる。あらゆる地であらゆる民がスペインの奴隷となっていった。ほんの数十年のうちに――。
 
〈大航海時代〉とは、スペインによる世界征服の時代だった。〈スペイン風邪〉がすぺいんかぜと呼ばれるのは、これが由来なのかもしれんな。16世紀のスペインのような風邪だという意味なのかも。米西戦争に行ったアメリカ人とかが名付けたもんだったりして。
 
ダグラス・マッカーサーの父、アーサー・マッカーサーが名付けたもんだったりして。産業革命前の社会で人は領主と平民に分れ、領主が民を思いのままに簒奪(さんだつ)する。大学を出た人間は支配する側にまわれるので、マスコミ人種や町の図書館員だとか、この、
 
画像:福田充
 
学者先生だとかはセオドア・カジンスキーに共感を覚える。人は産業革命以前の社会に戻るべきである。この哲学は国民にとって重要で、我が国の政治的課題の中心に置くべきものだ。
 
なんて聞いたらすぐ頷いて、
「ほら。思ってたよりわたしも結構マトモだったでしょ?」
と言う。大学なんか出ててもこの手の人間は、頭がカラッポなもんだから。
 
現代社会でインテリゲンチャは、
「ちっ、これだから大学出はよ」
とか、
「〈役人〉とは〈役に立たない人間〉の略。お前のことだ」
と言われる存在だ。だが昔はそうでなかった。産業革命以前の世界を舞台とする『ロビンフッド』とか『ゾロ』とか海賊キャプテンなんとかといった義賊ヒーロー映画の中で、役人と言えば民を虐げる領主の手先。賄賂をせびり、村娘を手籠めにしたりと、悪いことをやり放題。これが決してお話でなく昔は本当にそうだったわけで、そして今でもフィリピンなんかじゃ、さっき見せた『パシャッ!』って本に、
《ごく一部の金持ちや地主が、多くの貧しい人々を支配している。(略)労働組合を作ったり地主に反抗的な労働者は、簡単に殺される。ビジランテという私兵を持った地主も多いし、支配層に反抗した人々が殺されても犯人などはまず見つからない。》
と書いてあるように、恐怖支配に与する者となることができる。
 
かつて昭和の戦争中にフィリピンの地で軍政を行い、暴虐をはたらいてたのも日本の士官学校を出た者達だった。そんな時代に帰りたい、戻るべきだと大学を出た人達はお思いになることだろうか。そんなこともないだろうな。大卒でもごく一部の、
「ちっ、これだから大学出はよ」
とか、
「〈役人〉とは〈役に立たない人間〉の略。お前のことだ」
と年がら年じゅう言われてるようなやつらぐらいじゃないかな。
 
この、
 
画像:NHKアナウンサー
 
名前は忘れたけど顔が忘れられないやつや、町の図書館員だとか、この、
 
画像:福田充
 
学者先生だとかは間違いなくそのタイプだ。勉強できても頭はカラッポなもんだからセオドア・カジンスキーに共感を覚える。ワタシ達の中にはユナボマーに似たところがある、彼のような手段は取らないが不満には共感できる、産業革命とその結果は我々人類にとって災難であった。
 
と言われるとそうだと頷く。「ちっ、これだから大学出はよ」と何かやるたび言われてきた人間だから、
「ほら、思ってたよりわたしも結構マトモだったでしょ?」
とドヤ顔になるわけだ。
「ユナボマーの哲学は国民にとって重要で、我が国の政治的課題の中心に置かれるべきよ」
などと鼻息荒くして言う。平民の上に立ちたい人間にとって都合のいい哲学だから。マゼランのようにスマトラ人の奴隷をもらえる哲学だから。
 
さてところでアニメ映画の『王立宇宙軍 オネアミスの翼』というのにはグノォム博士というキャラクターが登場し、主人公に向かって、
 
   *
 
「なんだお前は。工業をバカにするのか? 工業が市民を平等にしたんだぞ。集中する資産を広げたんだよ」
 
アフェリエイト:オネアミスの翼
 
と言うシーンがある。その通りだ。その通りですよ、先生。このセリフは日本国民にとって重要で、我が国の政治的課題の中心に置かれるべきとおれは言おう。これには人間愛がある。だから正しいとおれは言おう。
 
それがすべてだ。シンプルなものだ。恐怖で人や世の中を支配しようとするのがテロだ。テロリズム。セオドア・カジンスキーの哲学はそれ以外のなんでもない。なにせテロリストの言うことだから、そうに決まっているわけだが、その論理で動く者に決してついていってはいけない。
 
で、前回、おれはこの、
 
画像:トランク
 
キリンビールの「シールを集めて応募しよう!」ってキャンペーンで当たったトランクを持ってるという話をしたね。キリンビールがこのようなキャンペーンをやったのは、それが会社にメリットがあると考えたからに違いない。ビールの売り上げが上がるだろうし、野球選手のイチローをCMに出すことで企業全体のイメージアップを図ったりとかなんやかんや。
 
そんな狙いがいろいろとあってやったに違いない。だから懸賞でインチキをやるわけないと信じられるし、ある程度の数を送れば当たる見込みが充分にあるとおれは考えてシールを集めた。
 
トランクが欲しいと言うより当たったら人に「どうだ」と言えると思って集めたんだが、その結果が上の写真だ。どうだ。いいだろ。大変だった。シール集めも大変だったし、用紙に貼って一枚一枚おれの住所と名前を書くのも結構大変なことだったけど、おれはやってやったんだぞ。
 
結果がこれだ。しかし一方、コロナは別にキャンペーンをやってるというわけではない。「人類虐殺キャンペーンで抽選により何万名様を殺して差し上げます」なんてこと言ってやってるわけではないのだ。ウイルスとはそういうことを企て実行するものではない。
 
〈彼ら〉を決して、
 
   *
 
「ふっふふふふふふふふふふふ……ぐあっはっはっはっはっはっはっはっはっ……うわあーっはっはっはっははははは……フフフフフハハハハハハハ……グワアーッハッハッハ……人よ。我々はお前達とは違う異種異根の生命体……」
 
画像:ヤマト復活編1 ヤマト復活編2 ヤマト復活編3
 
だとか、
 
   *
 
作品名:端数報告4 作家名:島田信之