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などと書いた気持ちがわかる。〈彼ら〉の思いに寄り添って、ものを考えることができる。
 
そこがミスグリ加藤譲や、たとえばこんな、
 
画像:今のヘンリー
 
やつとは違っているところだ。おれが「それをやったなら市橋達也と同じ地獄へ行くことになる」と教えてやったのを無視しなければ、
 
画像:最初のヘンリー
 
たとえ誰にも読まれなくてもこんなふうでいられたものを、
 
画像:次のヘンリー
 
このように市橋達也の逃亡時代まんまな顔をするようになり、今では「マスクしてます!」だ。そんなにマスクをするのが好きなら一生マスクを着けて生きろと言うところだが、こんな人間が出てくるのも、〈コロナの禍〉というものが再三書いてきたように恐怖支配だからである。
 
「新型コロナウイルス感染拡大防止の観点」という言葉に人間愛はない。あるのは恐怖による支配。あらゆる人を有無を言わせず従わせ、人間が人間らしく生きる道を奪い取る。肺炎で死んだ人間がこの百年にひとりもいないことにすれば、新型コロナは中国が極秘に開発していたウイルス兵器が意図的に世界に撒かれたことにできる。
 
中国人でない者をひとり残らず殺すために――そんな話はコロナが生まれた最初の頃からチラホラ耳に聞こえていたが、とうとうテレビは最近になって、本気でそうわめき出したね。
 
大槻ケンヂは遠藤誠に『人間革命』の対談で、
 
   *
 
大槻「(略)じゃ、たとえば平沢さんに関してそれだけ冤罪の証拠がありながら、検事側は認めないわけでしょ」
 
アフェリエイト:のほほん人間革命
 
と言った。最近のテレビのニュースは出て話すやつ話すやつ、
 
「コロナに関してそれだけ陰謀の証拠がありながら、中国側は認めないわけでしょ」
 
と言ってる。それを言うことが、完全に正義でカッコいいつもりの顔で。その昔、〈グリコ・森永事件〉のときに、
 
「江崎グリコという会社は犯人達にここまでひどい復讐をされるほどに悪いことを過去にしているとボクは見ますネ。誘拐だの放火だのされるのがその証拠ですヨ」
 
とテレビに出るやつのどいつもこいつもが言ったように。
 
テレビのニュースで話すやつの誰もが同じことを言えばそれは既成事実化されて、新型コロナウイルスは中国政府が中国人でない者を地球から抹殺するため作って広めたものであるのがもはや確実、ということになる。これは絶対の証拠でしょう、肺炎で死ぬ人間なんかこの百年にひとりもないのに今は百万なんですからネ。
 
ということになる。こないだテレビで『ボヘミアン・ラプソディ』って映画をやったの見たんだけれど、これが〈クイーン〉のフレディ・マーキュリーの伝記で、死因は肺炎だったんだってね。1991年11月、享年45歳。
 
画像:フレディ・マーキュリーはエイズによる肺炎で
アフェリエイト:ボヘミアン・ラプソディ
 
バカが間違えるといけないから断っておくが、〈AIDS−related pneumonia〉ってのは〈エイズウイルスによる肺炎〉という意味ではなくて〈エイズに関係する肺炎〉、つまりエイズウイルスで免疫不全になってるところに風邪のウイルスにやられて肺炎になった、ということだよ。肺炎は〈pneumonia〉と書いて〈ナモーニャ〉と読むようだ。これも初めて知ったが。
 
アメリカは〈病める大国〉であり、麻薬やエイズに身を蝕まれた人間が千万もいる。そのうちの何万人かが肺炎で年に死ぬのは当たり前だとさんざん書いてきたはずだ。〈クイーン〉はイギリスのバンドだが、ともかくトランプにせよ次のええとなんだっけにせよ、そんなことがわかるやつがアメリカの大統領になるわけないから、一万人が死んだとなれば、
 
「それは中国が我々を皆殺しにするため作ったウイルスだということなんだな! そうなんだな? そうなんだな?」
 
とわめき散らすことになる。アメリカがそうなりゃ日本は同調し、テレビに出るやつみんなが「そうだ」と言うことになる。そうだそうだそうだったんだ。それで説明がつくじゃないか! 全部説明がつくじゃないか! 中国人が! 中国人が! 中国人のやつらどもがあーっ!!!!!!
 
という。テレビで話す人間がみなそうなればそれは既成事実化されて、あらゆることが中国政府の陰謀である証拠とされる。松本清張にかかれば何から何までがGHQの陰謀である証拠となった。帝銀事件がGHQの実験というのは今や既成事実。頭から決めつけられて疑われない。
 
アフェリエイト:毒の事件簿
 
この本を書いた齋藤勝裕とかいう学者は疑ってない。そして〈コロナの禍〉とやらが起こるとすぐさま、
 
アフェリエイト:人類を脅かす新型コロナウイルス
 
こんな本を出す。前にも書いたが、大槻ケンヂが遠藤誠に、
 
   *
 
大槻「(略)で、その松本毒ガス事件でもうひとつボク面白いなあと思ったのが、歴然と、マスコミや警察が、Kさんでしたっけ? あの人を犯人に仕立てようとしてましたね」
遠藤「してました」
大槻「あれ、ボクが見てもわかりましたよ。だって、何か真犯人として逮捕状が出たとか、らしいとか、どんどん報道がそういう風になっていくんだもん。あの人の家が画面に映った時、誰だかわかんないおじさんが映ったんですよ。で、レポーターの人が「この人がKさんです」って言ったんだけど、そのすぐ後に「あの人は、全然関係ない人でした」とか適当なんですよ。どんどんどんどん犯人をKさんにしていこうとしてるのが見えて、「怖いなぁ、これは」と思いましたね」
 
アフェリエイト:のほほん人間革命
 
と言ったのと同じテクニックだ。なんでもいいから矛盾を気にせず、次から次に話を並べてKという男が犯人に間違いない、というイメージを作り上げろ。それが既成事実となる。たとえばこんな、
 
画像:越智啓太 学者とか、こんな学者を、画像:福田充
 
スタジオに呼べば、
 
「この男は日本のユナボマーですね」
 
という話をしてくれる。我々が作る話が真実だ。『NHK未解決事件 グリコ・森永事件』には、再現ドラマで1984年12月とおぼしき頃に上川演じる加藤譲が池内演じる吉山利嗣に酔ってからんで、
 
   *
 
加藤「(略)協定に触れん範囲で書かなあかんねんぞ。書きたいネタ、山ほどあるちゅーのに、そいつは書かれへんねん。せやから、こんな小さいネタ、必死にかき集めて、記事こしらえて」
吉山「偉い偉い」
加藤「もう最近は意地やもんね。グリコの記事だけは絶対に切らさへん。毎日書いたるんやっていう、意地! それだけ」
吉山「加藤ちゃん、偉い」
加藤「最低やで。最低……」

画像:突っ伏す加藤
 
と言って突っ伏すという、店にとってはイヤな客だろうな、というシーンがある。偉くねえよ。それが今の〈コロナ禍〉で、お前らマスゴミが使ってるのとまったく同じテクニックだろが。ひとつひとつのネタは小さくいいかげん。互いに関連性はなく、感染が広がっているように思わすイメージだけがある。このままいけば大変なことになりそうなイメージだけがあるけれど、イメージだけがあるだけという。
 
作品名:端数報告4 作家名:島田信之