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プトレマイオス・マリッジ・トラベル

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 船旅は続く。私たちはレオの港とめぐり合う。
 桟橋へ降りた私たちを流星の渦が襲った。
「これはなに? すごい風」
「きっと流星群だ」
 私たちは動けなくなる。流星の渦が勢いを増していく。
 突然、空が晴れる。
 流星が消えている。
 はっと周りを見渡すと、腰のあたりで二つに別れた流星たちが大量に落ちている。
「怪我はないか?」
 話しかけてきた男は大きな鎌を持っている。私は流星たちと同じようにその鎌で裂かれてしまうのではと不安になる。
「流星群は毎年この時期になるとうるさいんだ」
 だからこれで始末するのさ、と男は鎌を少し持ち上げてみせる。その刃に黄色い液体がこびりついている。あれは、流星の、血だ。
「僕はレグルスというんだ。君たちは旅行に来たのだろ? レオの港は賑やかだよ、しばらく観光を楽しむといい」
 男は言い残して去ってしまう。私は彼の手を探す。すぐに見つかる。不安になって彼の手を握る。
「大丈夫だよ、君はひとつも怪我なんてしていない」
「とても怖かった……」
「僕も驚いたよ。大丈夫だ、君の胴体はつながっている」
「そう。そうね、つながっていなければ話すことができないもの」
「ああそうさ。もう立てるかい?」
 彼が私の手を強く引く。私は勢いにまかせて立ち上がった。彼の腕がそっと腰にまわり、私を支えた。
「少し歩こう。気分もよくなるさ」
 私たちは港に広がる市場へ消える。