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プトレマイオス・マリッジ・トラベル

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 船旅は続く。私たちはタウルスの港へたどり着く。
 中央コンコースには四十ほどの光が散りばめられ、辺りは淡く照らされている。
「おや、君はスバルじゃないか」
 知らない男に、彼が声をかける。
「やぁ、久しいな」
 スバルという男が振り返る。両眼の中には青い瞳孔が複数ある。
「君、今までどこにいっていたんだい?」
 スバルという男が尋ねた。
「彼女と一緒に暮らしていたのさ」
 彼が私の手を引いて、スバルという男の目の前に突き出した。強い力に私は緊張した。どこかで彼を怒らせてしまったかもしれない。スバルという男が差し出した手を、拒んだ。
「嫌われたな、スバル」
 彼が嬉しそうに言った。
 スバルという男は笑って、次の乗り換えに向かう私たちに案内をつけてやると言った。ブルズ、と彼が呼ぶ。小さな子供が後ろから私たちの服を引いた。
 彼の案内で私たちはタウルスの港を歩く。複雑に入り組んだ通路をブルズは迷いなく歩いていく。私たちは、どこか知らない場所に連れて行かれるのではないかと不安になる。
 彼が私の手を握った。彼はやさしい生きものだ。
 しばらくしてブルズは立ち止まった。
「ここだよ」
 埠頭には一隻の船が停まっていた。その横に、また一人、少年が立っていた。
「僕はアルのいる場所にだけ、迷わずにたどり着くことができるんだ」
 ブルズの頭を撫でて私たちは再び船に乗る。