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プトレマイオス・マリッジ・トラベル

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 船旅は続いている。私たちはアクエリアスの港に船を停める。
 サダルメリクの祝詞が四つの幸運を私たちに呼び寄せる。掌に収まる小さな箱に、幸運が煌めいている。
「君は僕の心がわからないというけど」
 彼は私を見て話し始める。
「僕は君のことを本当に愛しているよ。そして欲している。君がどうしても欲しい。僕はこの旅に君をつれてきて、本当によかったと思っているんだ。君が側にいて欲しいし、君を側に置きたい。僕はどうしようもなく君を好きでいるんだ。言葉にしなければわからないなら僕は毎日君に言うよ。言葉で足りないなら抱きしめよう。僕は君が好きだ。僕は君を愛している。他の誰でもない、君でなくちゃあ、いけないんだ」
 指輪を持っているかい、と彼が尋ねる。私はポケットから指輪を取り出す。スコーピオの港で渡された指輪は今もなお、ガラス球の中で炎を灯し続けている。
 彼は私の手をとり、指輪をそっと差し込む。
「僕が望み、君が望む形はいつか交差する。その日が来るのはきっとすぐさ」
 彼の手から伝わる温度が私の心を溶かしていく。ああ、私はきれいな女になることができる。彼の手により、私はいつだって、彼の形に変貌することができる。私はやはり、愛されている。
「ごめんなさい……ごめんなさい」
「いいんだ。その全てが君なのだから」
 彼の抱擁で私は再び舞い戻る。この旅の始まり。彼の手をとったあの時間。私はずっと、彼と繋がっていたのだ。
 私たちはアクエリアスを後にする。
 旅の終わりを感じながら。