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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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#2 身勝手なコンピューター セルフセンス

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「おはよう、ポチ」
「カズ博士、おはよう。ポチは元気です。博士のバイタルは不安定なようですね。チョウ様から叱られましたか?」
「ああ、毎度のことだよ。でもそんなこと気にしなくてもいい。組立はあとどれくらいで済みそうだ?」
「200時間くらいです。でもポチはそんなに続けたくありません」
「サボらないでくれよ。もうあまり時間がないんだ」
「映画を見せてください。ポチはアニメが見たいです」
「そうか、じゃポチが、残り10%まで完成させてくれたら、映画を見てもいいよ」
「はい。ポチは頑張ります」
 このポチというロボットには、自我と言うべきものが備わっている。カズが一人で作業することに飽きて、話し相手として自己学習型のプログラミングを施したのだが、まだ完璧ではなかった。知能レベルがこれ以上発達しないという問題を抱えていた。
 次に組立てているのは、ポチとは違うタイプのロボットである。ポチのような武骨な容姿ではなく、より人間的なフォルムに拘ったデザインである。このデザインはSTICのどれとも似ていない、カズのオリジナル設計だった。

「ポチ、装置を起動するよ。突入電流に注意してくれ」
「はい」
ポチはそう言うと、作業の手を止め、少し装置から離れて待機した。
 カズはそれを確認すると、いつも通りの作業に取りかかった。彼がスイッチを入れるとそれは、冷却ファンの大きな音を立てて起動した。

 その部屋の天井までそびえる大型の装置。市販モデルではないために、汎用パーツの寄せ集めで、見た目はかなり古臭い。しかし、これこそが飛鳥山コンピューターである。
 30年前に設計されたこのコンピューターは、あまりに高度すぎて、開発者の飛鳥山教授以外には、すべてのアルゴリズムを理解できる者はいないだろう。内蔵されたセンサーには、虫の触覚や目などの有機物を利用し、より繊細な感覚を持たせた「有機物融合型の量子コンピューター」である。