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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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#2 身勝手なコンピューター セルフセンス

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カズはハッとして教授(飛鳥山ロボット)を見た。
「確かに。ドアはロックがかかっていたはずです」
二人は再びモニターを見た。侵入者たちがパスコード解析に奮闘している姿を見ながら、
「そうか、ポチはモニターに残る私の指紋を見て数字を読み取り、その配列は、いつも私が独り言を言っていたから、その数列の癖をヒントにして予想したんだ」
「しかし、静脈はカズ君のものでないと、正常に認識できないのではないのかね」
「きっと私の手の平を見詰めた時、指の静脈パターンを目でスキャンしていたんでしょう」
「なるほど、それをあのモニターに投影して解除したというわけか」
「意外にお利口さんだったんだね。ポチ」
カズは悲しそうにそう言った。
「カズ君、今はそんなことを言っとる場合じゃない。コンピューターの再起動に備えて、過電流をループさせる準備をせねば」
「はい、そうですね。アースをすべて外し、二次側の中継ケーブルを一次側に逆接続して、突入電流を余さずコンピューターに当てましょう。そうすればコイツ(飛鳥山コンピューター)は電力食いだから、かなりの電流が回って、基盤は焼き切れるはずです」
「基盤が燃えてしまえば、あとはただの汎用部品の塊だ」

 二人はその準備を完了した。ラボの外では侵入者たちがロック解除に手こずっている。飛鳥山コンピューターを破壊するには今しかない。
「教授、いいですね。電源を入れます」
「うむ、やってくれ」
カズが電源スイッチを押すと、再び冷却ファンが大きな音を立てて回り出した。そしてモニターにいくつかの文字列が表示された途端、