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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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#2 身勝手なコンピューター セルフセンス

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Buuuuuuuuzz,Buuuuuuuuzz,Buuuuuuuuzz,・・・

突然、非常警報が鳴り響いた。
「どうしたんだ?」
飛鳥山(ロボット)は、周囲を見渡した。カズもポチを抱きかかえ座ったままの姿勢で周囲を見渡した後、ポチを床にそっと横たえた。
「ポチ、ゴメンよ」
「すぐにコンピューターのエラーを確認せねばならん」
「は、モニターは生きているようです。飛鳥山(コンピューター)にエラーは出ていません」
「では、どういう事態なのかね」
ロボットの姿を借りる教授は落ち着いているように見えるが、カズは初めての非常事態に焦っている。
「分かりません。過電流による環境トラブルか何かだと思うのですが」
カズはモニター画面で検索して、非常事態の概要を調べ始めた。飛鳥山教授もそれをサポートしようとしたが、すでにコンピューターから切り離された教授は、警報と直接リンクできなかった。
「今の過電流で、火災が発生したのかもしれません」
(このタイミングで警報が出ても、特定するのに時間がかかる。ポチがいてくれたら・・・)とカズは、取り返しの付かないことを考えて、集中できなかった。
「カズ君・・・」
飛鳥山が正面の監視モニターに映し出された映像を見て、動きを止めた。カズはそのことに気付いていない。
「カズ君」
「はい。まだトラブルの発生個所が特定でき・・・」
「カズ君!!!」
教授は大声を上げた。カズが振り返ると、教授は正面のモニターを凝視している。