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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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#2 身勝手なコンピューター セルフセンス

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「ポチの思考データを取り出すことは簡単です。しかし、意識があるんだとすれば、飛鳥山(コンピューター)と共にクラッシュされると知れば、嫌がるに違いない」
「カズ君、ロボットに感情なんかあるはずがない」
「教授にはあるじゃないですか」
「わしはもともと人間だよ」
「そうです。その思考をデータ化出来るのですから、ただの思考データに感情を芽生えさせることも可能なのではないでしょうか」
「人の脳と言うのはもっと複雑で、機械なんかじゃそう簡単に再現できるもんじゃない。有機物融合型のコンピューターでも、まだまだだと思うがね」
「いいえ、それがポチの思考の発達段階で、すでに感情と思えるものを感じるんです」
「それは君の思い過ごしだよ」
「そうでしょうか?」

(ポチは破壊されるのか・・・やっぱり新型と交代させられるんだ。ポチは悲しいな)
カズと飛鳥山(ロボット)が会話する様子を、机の陰からポチが見ていた。そして、近くの装置の別置キャビネットに接続されている中継ケーブルのうち、一番太いケーブルを抜いて、自分の後頭部のインターフェース部に突っ込むと、無い足を抱えるように両手を前で組んで、静かに背中を丸めた。

(こんなこといいな・できたらいいな・あんな夢こんな夢いっぱい・・・)

「では、装置の電源を入れます。突入電流に注意して、教授は下がっていて下さい」
「了解した」