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端数報告3

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と言うので本当にあきれました。意見が分かれている? 「あれは第2波だ」と言う学者と「第2波と言うにはちょっと」と言う学者で意見が分かれてるのか。あんなもん、クーラーをかけてハダカで寝たバカが発症しただけに決まってんだろうに。熱帯夜が始まった日に始まって、終わった日に終わったんだから。なのに学者が何百・何千人といて、関連に気づくやつがひとりもいないのか。
 
そう思った時、私はやはり自分が正しい、〈禍〉など起きてないという考えに確信を持ったのです。愚かな学者先生どもが〈禍〉が起きているように思い込み、〈ブロッケンの怪物〉に脅えているだけなのだと。
 
この先月にも死者が結構出たようですが同じでしょう。12月に入ってから一日に10人、20人と死ぬようになり、中旬に「今日は50人」と言ったと思うとその翌日から死者の数を聞かなくなった。その後ひと月まったく聞かんが、あれはおそらく「よく換気」という言葉を信じて夜通し窓を開けていた人間達が発症した。中旬過ぎると寒さが厳しくなったので窓を閉めたため死ななくなった。
 
というだけの話でしょう。40、30、20と減るとマスコミは報道しない。できない。「感染が増えているのになぜ死者が減るのか」と言う声が殺到するに決まっているがそれに答えられないから。
 
そして今年に入ってから、テレビは、
 
「寒さが厳しくてもよく換気しましょう」
 
と言い出しました。政治家もそう呼びかけ出しました。窓を開けて人が死ぬのにやっと気づき、多くの死者に出てほしくてそう言い出したのでしょう。
 
私はそう思います。彼らは言わば〈宇宙戦艦ヤマト〉の第一艦橋クルー。ボクは古代進でキミは森雪。島。真田。ボクらの力で日本を救ったことにしなけりゃならないんだ、というわけです。
 
それにはコロナに自然消滅なんかされては困る。2月・3月の倍の千人。そのくらいはひと月のうちに死んでくれねば困る。
 
のだと思います。だから今は躍起になって、国民みんなに夜通し窓を開けさせようと頑張っている。
 
私はそう思います。コロナは発生した時点では、確かに強い毒を持っていた。しかしそれを急速に弱め、日本に来た頃にはやっと老人をいくらか殺せる程度になっていた。そして志村けんを殺した日あたりを境に普通の風邪と毒性がほとんど変わらないものとなって今に至る。
 
そこで政府は最初の緊急事態宣言を出したわけですがこれは完全なる愚行です。コロナは【毒を弱めるのが増殖に有利】との判断を〈彼ら〉の遺伝子が下していた。ただし本当に〈下した〉のでなく、ウイルスの性質がもたらす偶然の結果。一度毒を弱める道を〈選んだ〉ウイルスが再び猛毒を持つことは、絶対とは言えぬまでもまず有り得ぬ話なので〈第2波〉などというものが起きる心配は杞憂だった。
 
肺炎で日に3人や4人が死ぬのは当たり前で、2019年も2018年もその前の年もその前の年も、毎年普通に千人くらい死んでいるのに〈禍〉だ〈禍〉だと、愚かな日本人は大騒ぎ。病院がパンクしたのも普段であれば風邪を引いたくらいのことで医者にかからぬ者達までが病院に殺到したからでしょう。その者達の多くがまた、
  
「先生、ワタシはコロナですか。コロナなんですか、先生!」
 
「はあ、確かにコロナにかかっているようですが軽症ですよ」
 
「やはり! ワタシは死ぬんですか。死ぬんですね、先生!」
 
「いや、それくらい元気ならば大丈夫です」
 
「助けてください、死にたくない。ワタシはまだ死にたくないんだあっ!」
 
「だからそのくらい元気だったら……」
 
こんな調子の人間だったからに違いありません。こういう人が、家に帰って手洗いだ手洗いだと30分もジャブジャブと冷たい水で肘まで洗い、風邪引いてるのに体を冷やしたことで重症化し、死ぬ。
 
そして世界で百万死んだというのも毎年のことでしょう。世界には、貧困にあえぐ人々が何億もいます。子供がゴミ拾いして、女の子は身を売らされる。そして〈AK〉を持たされて、麻薬やエイズに身を蝕まれる。
 
そんなところでは普通の風邪への抵抗力さえ人が持つのが難しくなる。だからそれらの地域で毎年、百万という人々が肺炎により死んでいく。
 
のですよ。去年も前半には、例年よりも多くの死者が出たのかもしれませんが、今はたぶんいつもの年と変わらんでしょう。世界的にコロナは消滅しつつあるが、別の風邪ウイルスによる肺炎で今年も百万人が死ぬ。来年にまた別の風邪ウイルスが広がって百万が死ぬ。
 
それを豊かな層にいられる人間は見て見ぬフリをしてきている。今年は見たけどコロナのせいにしている、というだけの話。貧困を生むのは差別です。人種差別に階層差別。他さまざまな差別があって人間を〈持つ者〉と〈持たざる者〉に分け、悪循環が風邪で死んでいく人間を生み出す。年に百万人。それをこの状況下でも、誰も気づかず直視しない。
 
というだけの話でしょう。日本で死者が少なく済んできていたのは差別が比較的少なく、貧富の差も小さいためだ。けれどもその日本で、感染者差別をする者が出た。
 
魔女狩りです。検査で〈陽性〉と出た者を、働くな外に出るなお前が外を出歩くとお年寄りが死ぬと指差してなじり、監視する。しかしここに書いてきたように、東京都民が1300万いて感染者の割合が10パーならば感染のキャリアは130万人いるのです。それを一日に千人検査し、100を〈新たに確認〉するから、その100人だけが差別の対象ということにになる。
 
その100人は〈魔女の烙印を捺された者〉。129万9900のスケープゴート。いや、1299万9900のスケープゴートに他なりません。すべて嘘なのでその100人が働いたり、出歩くことで老人が死ぬなんてことはまったくない。
 
私はそう思います。政府は魔女狩りがしたいがために嘘をついている。お年寄りを楯にすれば魔女狩りができると気づいてそれをやっているのだ。〈魔女〉にされた者達の罪は厚労省の検査チームが、
 
「今日はここで感染者狩りをするぞ」
 
と決めたその場所にたまたまいただけ。なのに魔女の烙印を捺され、働くことができなくなる。
 
それを人は当然のことと呼んで差別を行うが、国は検査態勢をさらに強化すると言いました。
 
それはすなわち、
 
「今日はここで感染者狩りをするぞ」
 
というチームをもっと作るということですよね。私がさっき書いたように、割合と推定人数を出すための検査であれば一日に千人で充分のはずなのに。明日あなたがその連中のカスミ網にかからないとはわからないし、あなたの家族や友人がかからないとも限らない。その確率が高くなるということなのがわかりませんか。
 
明らかに政府は〈魔女〉を増やそうとしています。スケープゴートを大量に出せば、衆を恐怖で支配できる。〈検査態勢の強化〉というのは、そのためだけに行われる。野党議員もなんだかんだ言って恐怖政治を行いたいのは同じですから、首相や都知事に賛同している。
 
作品名:端数報告3 作家名:島田信之