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端数報告3

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その理屈は極めて特殊で複雑なもので、説明されねばわからない。コロナの第2波とやらも同じで、外国からより強力な型のウイルスが入るのを心配しているのでないなら何を心配しているのか。
 
感染が拡大すると何がどうなることによって〈波〉とやらが起こる理屈になると言うのか。わからない。テレビに映る学者の誰もそれをまったく説明することなしに、
 
「10パーセントで〈波〉が起こる。いや9パーか、8.5。8.2くらいかもしれません。とにかくいつ第2波が来ても不思議のない状況なのです。そうなったら! そうなったら! ああ、おしまいだ、おしまいなんだあっ! うわあ! うわああああっ!!」
 
と泣き叫ぶ。わけがわからん。感染者の割合が一定の率に達すると猛毒を出すようになる。そんな法則でもあると言うのか。そう聞こえるが、バカバカしい。そんなことは絶対にない。
 
有り得ないのだ。感染が拡大すると第2波が起こる、なんていうのは科学的・医学的に起こりえないエセ科学の言葉なのは素人のおれにもわかる。「納豆を食べれば痩せる。十個二十個三十個、一日たくさん食べれば食べるほど痩せられます」なんてなことを言ったがために潰れたテレビ番組が言うことみたいにバカバカしい。どうして誰もそうは思わないのだろう。
 
と思ったのが4月。5月になって緊急事態宣言とやらが解除されるが、するといったんは減っていた感染者の数が増え出す。20、30、50人。80、100、150。200、300……。
 
そのたびに、
 
「これこそいつ第2波が来ても不思議のない数字です! あとちょっとでも増えたらもう! もう!」
 
とニュースは狂ったように叫ぶが、何人ならば〈波〉てのが来るんだ? 人数に関係なくそう言ってるようにしか聞こえない。
 
4月には「10パーセントで確実に」とか言っていたのはどういうことだ。感染が拡大することでなぜ〈波〉が来るかの説明がやはりいつまで経ってもない。学者の誰ひとりとしてまともな説明をしたことがない。やはり学者も誰も知らずに口から出まかせ並べてるだけないんじゃないか、とここで疑いを強めてきた。それに、どうも何かおかしい。前には一日千人前後を検査していたようなこと言っていたが、今も果たしてそうなのか。
 
そんな疑いも持ち始めた。もし東京の検査数を一日二千に増やしてるなら、200人でも10パーセント。三千人で300人ならやはり10パーセントだろう。これは分数のはずなのに、分母を出さずに分子だけ見せているのは信用できない。
 
感染はほんとに拡大してるのか。なんで割合を言うことをせず、〈感染者数〉というものだけを発表するのか。
 
〈感染者数〉というのは別に〈感染者の数〉を数えているわけじゃなかろう。それは〈確認数〉なんだろう。妖精の。妖精の数を数えて感染者の数と言ってる。誤りだ。詐欺師の使う数字であり、消防署の方から来る人を数えて「今日は消防署の人が何人」と言ってる。これは、それと同じだ。どう見てもそうじゃないのか。
 
という疑いも持ち始めた。だがそれ以上に何よりも、宣言の解除の後で感染が拡大したと言う割には死ぬ人間の数が変わらんことだ。一日に3、4人。
 
2月・3月に日に15人死んでいたのが4月からほんの数人になって、増えない。日に5人くらいは、いくらなんでも例年普通に死ぬ数なのと違うのか。
 
感染者の数に比例して死者が増えねばおかしいのにそうならない。てことは、増えているのは妖精であって疫病の感染者ではないのだ。そうならないか。コロナはエイズウイルスのような免疫不全ウイルスでなく肺炎だろう。つまり風邪だ。「風邪だからって甘く見るな。肺炎になって死ぬのがたくさんいるんだぞ」と言われるものだ。いくらなんでも日に3人や5人くらい死ぬのでなければ、そんな話になるわけがない。
 
死者の数が例年と同じなのなら〈禍〉ではない。特に悪性でもない風邪が流行っているだけのことだ。これはそうなんじゃないのかよ、と考えていたところに、
 
画像:平沢の死因
画像:早わかり20世紀年表表紙
 
これを見たのである。アッと思ったね。平沢の死因が肺炎! 95歳! そんなのは、さすがに寿命だ。そうだろう。高齢者が肺炎で死ぬなんてのは異常じゃない。毎日どこかで何人か死んでて当たり前なのはこの一事を見るだけでも明らかだろう!
 
そう思った。つまりコロナは、とっくの昔にみずから毒を弱めていたということだ。それが妥当な推測だろう。ウイルスとはただ増殖しようとするだけのもので、人を殺そうとするわけじゃない。毒を持つのはたまたま毒を持つだけだし、増殖に有利な道を探そうとする。それだって偶然の結果だが、とにかく毒を弱めるのは普通によくあることなのだ。
 
そんな程度はちょっとかじっただけの知識で素人にもわかること。そして一度毒を弱める道を〈選んだ〉ウイルスが再び猛毒を出す確率は極めて低いはずと言える。〈波〉など恐れるやつはバカだ。
 
それも、なんの根拠もなしに「第2波が来る第2波が来る。そうなったら! そうなったら!」と泣きわめいてるだけなのが明らか。〈第2波〉とはなんであり、来るとどうなるか知ってる者などいないのが明らか。
 
そう確信した。海外からより強い型が来るとかいうのもどうやらなさそうだ。というのでここに『犬も歩けば狂犬病とジステンバーのウイルスに当たる』のログを書いて出したが、それが6月の頭くらいか。
 
その後しばらくは書くこともないが、8月に例の「第2波だ」というのがあって「いや、クーラー病だろ」と思い、10月に池上彰が、
 
「8月の一時的増加が第2波だったかどうかについては、専門家の間でも意見が分かれています」
 
と言うのを聞いた。そこから先は、もう繰り返さなくてよかろう。これが、おれがこのブログにコロナについて書くようになった経緯である。
 
 
   愚劣極まりない。
 
 
コロナの話はすべてがすべて、〈おっさん〉という下等生物の世迷い言なのが明白だ。『妖精作戦』の世界では1984年の秋に突如ゴジラが出現し、日本中がわやくちゃになった。まことに残念である。現実の世ではその年の秋、かい人21面相VSミスター・グリコの戦いによって、日本中がわやくちゃになった。まことに残念である。『妖精作戦』で〈敵〉として宇宙から来る者達は、ケンタウルス座アルファ星の方から来ることになっている。ただしその方から来るだけで、その星系の者達なのかはわからないことになっている。
 
作品名:端数報告3 作家名:島田信之