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端数報告3

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これも実はそういう話で、テレビのニュースに刺激を受けた男がバカな犯罪をやらかす。ニュースを見たその夜のうちにだ。だからおれには放火犯は、これの主人公みたいなやつだったりするんじゃないのかな、と思うのだけど内容については、よければ読んでお確かめください。
 
画像:バレずに済めばいいことだものレビュー
  
前に見せた通りこんな言葉を寄せてくださった方もございました。と、さてこの放火では、ふたつの現場の間には3キロの距離があったという。移動にはなんらかのアシが使われているはずだ。グリコ社長誘拐では二人が家に押し入って三人目がクルマで待っていたことが、おそらくは勝久氏の証言で明らかになっている。この放火も同一犯なら同じようにやりそうだが、しかしなんか違う気がする。
 
ウィキにはさっき見せた通り、
 
《出火の直後には、帽子を被った不審な男がバッグを抱えて逃げるのが目撃されている。》
 
という記述があるだけ。帽子をかぶった不審な男というのはひょっとして、
 
画像:中沢健
 
この人か? いや、まさか。とにかくこれを見る限りでは、単独犯のように思える。
 
のだけど、どんなもんだろうね。そして放火というのはまず、単独犯というのが相場だ。火をつけといて家が燃えるのを、野次馬に混じって見てたりするもんじゃないのか。
 
そしてこの犯人も、そういうやつじゃないのか。おれにはそんな気がするのである。もちろん〈気がする〉というだけの帰納的な推理なんだが、無関係なアカウマの線も捨てるべきではなかったんじゃないのか。おれの推定の範囲を出ませんがぁ、その線もぉ、捨てるべきでないというゴニョゴニョゴニョ……。
 
と、これはあくまでも、おれがゴニョゴニョと言うしかないことであるのをお断りしたうえで言うのだけれど、どうも一連の事件の中でこれは性格が違う気がする。おれが事件全体から受ける印象の犯人像は、
 
   *
 
(略)ふつうの人間に比べてむしろ陽気でノリのいい人種(略)
 
画像:初等ヤクザの犯罪学教室表紙
 
だ。銀行強盗に憧れて、世間をアッと言わせるようなでっかいことをやってみたい。何人かでツルんで三日に一度くらいそんな話をしているような……しかし留置場や刑務所では、殺人犯人みたいなのはむしろそんな者達から避けられ、気味悪がられていて、おいしい話に混ぜたりはしないものだと浅田次郎・著『初等ヤクザの犯罪学教室』に書いてあった。
 
アカウマもまた檻の中では避けられ気味悪がられていて、おいしい話に混ぜたりなんかしないものだというのをやはり、この手の本には大抵書いてあるように思う。これも〈思う〉と言うだけで、実際に檻の中の人になったことがあるわけでもないからわからんのだが。
 
だから、何度も言うようにこれは帰納的推理だけどね。おれの考えではグリ森事件犯人達の当初の目的は、
 
画像:グリコのネオンを見上げる上川
 
この看板を○○にして○○すること。そんな冗談で始まったイタズラの計画だった、というものであり、放火というのはこの考え方に合わない。おれにとって都合の悪い要素だから無関係なアカウマがニュースを見てやったことだということにしたい。
 
だけじゃねえのかと言われたら、
 
「うん、確かに」
 
と言うしかない。それについて「違う」とか、
 
画像:四方修(いやそんなのないよ)
 
とか、一切言う気はありません。
 
画像:四方修(本当?)
 
うん本当です。というのをもう一度断ったうえで、しかし1984年。この放火が起きたことで事件はまったく違った様相を呈し始める。ナレーションが言ったように警察は、カネ目当てに加えて恨みという線でも捜査を始めた。そしてミスグリ加藤譲がいよいよ、
 
   *
 
「犯人の動機は、グリコへの怨恨で決まりやろ」
 
画像:NHKスペシャル『グリコ・森永』番組タイトル
 
と言うようになるのだが、それについては次の稿で。今日のところはここまでとします。それではまた。

作品名:端数報告3 作家名:島田信之