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端数報告3

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と。おっしゃる通りである。だが、関西人なら関西を信頼するんや。関西にはまだ武器が残されているやないか。戦うための武器が。グリコやよ。関西にはまだグリコが残っているやないか。なあケツネ目。グリコのネオン看板だけが、けったくそ悪い東京もんに立ち向かえる最後の武器なんや。雷門にどうやって勝てる。そんなことしてなんになる。誰もがそう考えるやろう。わいもそう思う。なあケツネ目。男はそないなときにでも立ち向かってゆかなあかんときもある。そうしてこそ、初めて不可能が可能になってくるんや。ケツネ目。関西にはグリコがある。グリコがあるやないか。ネオン看板を活かすのは関西人の使命なんや。グリコある限り戦え。わかるな、ケツネ目……。 
 
というわけですよ。で、話は最初に戻るが、〈「銀行強盗」成功のための傾向と対策〉ね。これには、
《犯罪を飯の種にしている常習犯罪者というものは、ふつうの人間に比べてむしろ陽気でノリのいい人種》
と書かれ、その者達が留置場の中などで、
《「カルビとロースはどっちがうまいか」「馬場・猪木もし戦わば」》
などという程度の低い話をし、そして彼らが最も憧れる犯罪が銀行強盗で、一生に一度でいいから手を染めてみたいと思う。ブタ箱では三日に一度は真剣に、
《「銀行強盗」成功のための傾向と対策》
という議題が討議されている、なんてことが書かれてたんやで。あんたはん、これをどない思いますのん。【怨恨説】だの【株価操作説】なんてのが説明になっておりますかいな。難しい漢字を使(つこ)うとるからもっともらしいだけ思わんか。
 
そこんところをちょいと考えてみーゆー話や。と、言ったところで今日はおしまい。続きはまた。おれはコロナは怖くないけど、歯の詰め物が取れるのが怖くてキャラメルは食べられません。もう二度ばかりキャラメルにやられて、だからすべてのキャラメル製造会社に怨恨を持っております。


作品名:端数報告3 作家名:島田信之