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端数報告2

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風邪とはそういうものである。コロナもまた風邪である。そして風邪にはビタミンCだ。世間で風邪が流行っていてもみかんを食ってりゃ大丈夫、とまではいかないが、しかしマスクよりもみかん。
 
それが先人の知恵のものだ。ゆうべクーラーを強くしてハダカで寝たら風邪引いた。バカかお前、と言われるものだ。コロナはそういう普通の風邪と変わらぬものと考えるのが妥当だろう。
 
これに専門家のはずの者達が気づかない。ひとりも。学者が一万、医者が十万もいてひとりも。【恐るべき第2・第3波戦略を持つもの】と決めつけて疑わぬゆえに――全員がアマチュアとしか呼びようがあるまい。
 
「ただの風邪だろうと思って油断するな。風邪は本当は恐い病気だ。肺炎になって死ぬのがたくさんいるんだぞ」
と昔から言われるように、風邪は本当は恐い病気だ。今年の〈禍〉と呼ばれるものは、それを実証するものに過ぎない。それ以上でも以下でもない。2月・3月頃には確かに例年以上の死者が出たのかもしれないが、4月以降は完全に例年通りだろう。風邪をこじらせて肺炎で死ぬ人間がいるのは当たり前であり、しょうがないものであり、それが寿命と呼ぶべき場合は決して不幸な死ではなく、多くがそれであったはずだ。日に数人、年に千人程度は階段で足を滑らせて死ぬ人間の数と変わらず、社会の脅威などにならない。
 
それがわからぬ不埒なマスコミが、ごく少ない死者数を多く見せかける報道をしていた。大衆をパニックに追い込むのを目的として興味本位におもしろおかしく――というのが〈コロナ禍〉と呼ばれるものの正体である。すべてがマヤカシなのだ。
 
平成の30年間で肺炎の死者がゼロだったのが今年に千人という考え方をしてはいけない。だがマスコミは大衆にそう思わせる報道をした。許しがたい嘘と言うべきものであるが、それに気づかぬ方もおかしい。
 
マスクを着ける必要はなかった。密を避ける必要もなかった。むしろそれらは絶対にやってはならないことだった――それが今年の〈コロナ禍〉と呼ばれるものの正体である。ヒトという愚かな生き物が、ヒトという種の愚かさゆえにやらかしたこと。ヒトはウイルスやナメクジ以下の地球で最もどうしようもない生き物なのだ。
 
病院がパンクしたのは普段であれば風邪を引いたくらいのことで医者にかからぬ者達までが病院に殺到したからだろう。その者達の多くがまた、
「先生、ワタシはコロナですか。コロナなんですか、先生!」
「はあ、確かにコロナにかかっているようですが軽症ですよ」
「やはり! ワタシは死ぬんですか。死ぬんですね、先生!」
「いや、それくらい元気ならば大丈夫です」
「助けてください、死にたくない。ワタシはまだ死にたくないんだあっ!」
「だからそのくらい元気だったら……」
こんな調子の人間だったからであるに違いない。
 
海外においても同様で、確かに猛毒コロナが暴れた国も多いだろうが、全体のごく一部だろう。たぶんアメリカなどは違う。国土が広く貧富の差が大きな国では、貧困層があえいでいるのを豊かな地域の者は知らない。アメリカ内部の貧しい地域では貧しい者が、普通の風邪への抵抗力もろくに持てずに毎年死んできたはずだが、トランプはずっと、
「大統領、去年は黒人が十万人風邪で死にました」
と聞いても、
「それがなんだ。どうせならひとり残らず死ねばいいのに」
と言うだけだったのが今年は、
「ジュ、ジュ、ジュ、ジューマンニン? それはこの世の終わりなのか! この世の終わりが来てしまったということなのかあっ!」
とわめいていた。死者の多くが黒人なのにワスプは気づいていないという。
 
ただそれだけ。インドではカースト制度のためにそれと同じことが起こる。多くの国が以下同文で、世界で百万死んだという大半が実はそれなのではないか。
 
人種差別や階層差別がもたらす貧困。それがもたらす栄養不足。不衛生。麻薬やエイズによる免疫不全。少女が売春させられて、男の子はゴミあさり……コロナはそんな国や地域で命を奪っていたのではないか。
 
そうだろう。日本は貧富の差が小さいために、死者が少なくて済んだのだ。
 
〈禍〉の終息は最初に見せた池上彰の本の表紙の〈撲滅〉や〈共存〉でなく〈自然消滅〉だろう。今年のコロナは「新型肺炎」「新型肺炎」と呼ばれたゆえに、風邪と言えば毎年毎年ザクザクザクと同じ型しかなかったところに突然、
「風邪とは違うのだよ、風邪とは!」
という感じのものがやって来たように思えるが、コロナも風邪だ。コロナだけが新型でなく、実は風邪は毎年毎年、新型のものが生まれて広がり、翌年に別の新型がとって替わるのを繰り返している。特殊な技術を持たない者には見分けがつかないだけである。だからそろそろ新しい風邪ウイルスがどこかで生まれ、それに押されてコロナは消えるというのがもっともありそうな結末じゃないのか。
 
なのに専門家の中に、専門家であるがゆえに「早急にワクチンの開発を」などと訴え本当にそれをやらかす者まで出た。
 
やってはいけないことの最たるものなのは、素人のおれにもわかることであるのにプロがやった。プロゆえに。それがプロだからできるがゆえに。
 
それはたんにプロの技術を持ってるからプロだというだけのプロだ。アマチュア以下だ。〈大和〉を造った昔の日本人と同じだ――ということを長々と書いてきたけど実を言うと、本当のまともなプロもどこかにいるはずとおれは考えてもいるのである。ウイルスと命懸けの戦いをしてきた真のプロ集団がどこかにきっといて、密かに連絡を取り合いながら世に真実を明かすチャンスを伺っているのじゃないか。今はどこでも一流大学の教授と呼ばれるような者らが、
 
「多少の危険を押してでもワクチンを試すべきです。ただし他のやつが作ったのはダメ。ワタシが作ったこれでなきゃダメ」
 
なんてやり合っている。『アルキメデスの大戦』のバカなおっさんどものように――これでは出て行きようがないから出てこれないだけなのだ、と。でも決して遠くないうち『星を継ぐもの』の主人公ヴィクター・ハントのように現れ、
「真実はこうだ」
ときっと言ってくれるのじゃないかと。
 
アフェリエイト:星を継ぐもの
 
 
   *
 
 
――なんてことを書いてきたが、まとめるだけでこんな分量になったか。イヤハヤ、けれどもこれ以上、加えることも繰り替えすこともないんじゃないかな(ごめんなさい。とか言いながら後でちょっと加えています)。てわけでコロナについての話はこれをもって終わりとして、本題の帝銀事件についてだ。
 
元はと言えば、コロナについて書くことになったのも、齋藤勝裕というやつが、
 
アフェリエイト:人類を脅かす新型コロナウイルス
 
こんな本を出してやがったことに始まると言えるのだが、こいつの『毒の事件簿』って本。今回はこれについてもう一度書こう。
 
おれは以前、このウジ虫が帝銀事件の〈換金された小切手の裏書〉の件について、
 
画像:毒の事件簿130-131ページ
画像:毒の事件簿136-137ページ
アフェリエイト:毒の事件簿
 
作品名:端数報告2 作家名:島田信之