端数報告2
専門家のはずの医者や学者でさえもそうだと。ウイルスがものを考える、戦略を練るという考えはボーリングのガーターであり、決してはまっていけないものだが、多くの者がそこにはまると。
アフェリエイト:ホット・ゾーン
『多く』というのは99.99999パーセントだと。書いてはなかったとは思うがやっぱりそのくらいだと。医者や学者までがそこにはまっては、一般人が気づくことはまったく不可能になってしまう。
ただ、おれは頭の中にそのガーターがもともとない0.00001パーセントの例外だ。普通の人の頭にはレーンがなくてぶっといガーターが2本あるだけ。『感染が拡大すれば第2波が起きる』の言葉を疑問を持たず受け入れられる。
だがおれにはそのガーターがないために、ボールが落ちようがない。池上彰の言葉はレーンの横壁をガンガンとハネ返る。
のだというのが最近ようやくわかりましたよ。どうしようもねえよなあ。医者や学者までがコロナを意志あるものと見ちゃってるのか。だから8月のあれが第2波かどうかで意見が分かれてんのか。
どう分かれていると言うのか。
こないだここに池上彰の本をいくつも出したとき、さっきも見せたが、
アフェリエイト:池上彰『コロナウイルスの終息は撲滅でなく共存』
というのがあって「なんだこりゃ」と思っていた。どういう本なのであろう。ひょっとして、
「8月のあれが第2波なのかどうか、よく考えてみるべきではないでしょうか。たとえば、コロナは人類との平和的共存を望んでいるのかもしれません」
「平和的共存だと? なんだそれは」
「つまりコロナは人の体に適応し、無害なものになろうとしている。それどころか、エイズウイルスを倒してくれる正義のターミネーターウイルスになろうとしているのかもしれない……シュワッチェネルガーの〈T-800〉が最初は悪役だったのが次から味方になるようにです。8月のあれはその試みだったのだが失敗した。しかし次にはうまくやってくれるかもしれない。人はコロナウイルスにいつか感謝するようになるかも……」
「は、何をたわけたことを。夢物語もたいがいにしたまえ」
なんてなことをどっちもバカなおっさんが言い合っている本なのかな。いや、まあおれの、
コート・イン・ジ・アクト試し読み版
https://books.rakuten.co.jp/rk/ac5c59bc89d43d5a8da74dfe1651f208/?l-id=search-c-item-img-07
これだって、ウイルスの風邪が世界に広がるが発症率は億分の一。ただし発症すると……というアイデアを含むSFなんだが、ちょっとねえ。
敵でなければ友好的存在か? 人はいつかコロナとも分かり合えるかもしれない……って、だからウイルスはものを考えたりしねーよ。
おれが別のサイトに出してる、
スタンレーの魔女
https://2.novelist.jp/80263.html
この小説に、
画像:冥王星クラゲ
こんな形の生き物を出してる。眼が黄色いのは眼が黄色いわけじゃなく、闇の中で猫のように黄色く光る設定だ。元デザインは松本零士先生だが、しかしこの画は著作権侵害にはならないだろう。
こいつはある理由により、決して地球人類の敵や脅威となることはない。が、決して友好的な存在となることもない。人が行くと寄ってきてそのキラキラした眼で見たりするが、ただそれだけ。
変だけど、ちょっとかわいいからいいじゃないか、というだけのものである。北極の海のクリオネなんかもかわいく見えてターミネーターな生物らしいが、だからと言って、人の眼で見て生き方を改めろと言うべきでない。
人にとっていい生物がいい生物、いいウイルスがいいウイルスということはない。地球は人間のものでない。コロナを実はいいウイルスと考えて、もう「平和的共存を」と言い出してる学者なんかもいたりするのか? どうしようもねえ。
それは結局人間中心の考えである。池上彰は宇宙人顔してるから、もし宇宙人がいれば自分と同じミスター・スポックみたいなのに違いないと思うのかもしれんけど、しかしそれが人間中心。宇宙の中で地球のマン(人間)がいちばん偉いに決まってるという愚かな考え。
ウーマン(女)よりもマン(男)が常に正しく偉いと考える男の考えだ。地球人類の間でだって、男と女が決してほんとにわかり合うことはできないように、宇宙に宇宙人がいればそれは異質な存在のはずだ。
敵でなければ友好的存在ということにはならない――そう考えるべきである。UFOに乗ってやって来て、「変なおじさんだこりゃ変なおじさん」と歌って志村のヒゲダンスのようなものを見せ、また去っていくだけのまるきりわけのわからんものでないと言い切ることはできない。
そうだろう。矢追純一のサインは欲しいか? おれは別に要らないけれど、ではダグラス・マッカーサーのサインはどうか……という小説ならばこれがそうなのでよろしければぜひどうぞ。
粧説帝国銀行事件
https://syosetu.org/novel/234452/
これは読書ブログなので、ちゃんとした本の話もしようか。人類にとって異質な存在を描いたものと言えば『ソラリス』。しかしこれだって、読んで「わかった」と言う者は人間中心の考え方で読んでわかるものらしい。
アフェリエイト:ソラリス
おれは読んでもサッパリわからなかったんだけど、ちょっと思った。この〈ソラリス〉というやつがものを考えるものなのなら、地球人を、
「なんかどっかから、わけのわからんやつらが来てわけのわからんことをしてるな。こいつらなんなんだろう。まれでわけがわからん」
としか思ってないんじゃないかな、と。まあそんなわけで、今日も帝銀事件について書く気でいたんだけれど長くなったのでこれでやめます。それではまた。