小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

端数報告2

INDEX|34ページ/67ページ|

次のページ前のページ
 

このリンクを押してみて、目次で〈老いた者から〉というのを探して読んでくださればこの〈コロナ禍〉と呼ばれているマヤカシ騒動の5年前におれがそれを書いてたことがわかると思うんだけど、おれに言わせりゃあなたと世間の人達の方が現実を見てない。数字とパーセンテージだけで物事を判断してる。大事なのは感染者数なんですか。それとも死者数なんですか。そのふたつをごっちゃにしていませんか」
 
と聞いても、
 
「何を言うんだ! だから第2波が来るんだよ。それがわからないのか! 感染が拡大すれば第2波が来る。わかりきったことだろう! そのときたくさんの人が死ぬんだ。だから感染者数イコール死者数なんだ。簡単な算数だろが」
 
「やっぱりごっちゃにしてる」
 
「してない」
 
「では聞きますが、どんな根拠で第2波が来ると言えるんですか」
 
「お前、バッカじゃねえのか?」
 
となるだろう。これはオウムの麻原が言ったハルマゲドンを信じる人に「ハルマゲドンとは何か」と聞くのと同じなのでおれは議論なんかしない。池上彰が「第2波が来る」と唱えているためみんなが第2波を信じている。
 
埼京線は最強だぜ。池上線は池上だぜ。でも池上彰が今の日本で最強の男なのかなあ、ただのおっさんのくせに。民主主義は衆愚政治であるために、変なおじさんが指導者になる。ヒトラーだとかトランプだとか、いかりや長介なんかがなる。
 
「おいっす!」と言って、「声が小さい、おいっす!」
 
……違った。何か間違えたけど、お年寄りは大切にしよう。それは間違った考えじゃないが、だからと言ってひとりたりともコロナで死なせてならないと言い出すのは極端な話だ。
 
そして無理な注文である。人はいずれ死ぬのであり、自殺を除いて死に方を選ぶことは誰にもできない。できないが、風邪が流行っている夏にクーラーをガンガンかけてハダカで寝るのは死に方を自分で選んでいるようなものだ。池上彰は『池上だヨ!全員集合!』といった番組に出ては「観点! 声が小さい、観点!」と叫び、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、これから冬に寒くなっても窓を開けて寝ましょうと言う。ファンヒーターを十台ばかり買ってきて、タコ足で繋いで寝床を囲めばいいことではないですか。
 
「それは火事で死ぬ死に方を自分で選ぶようなものでは?」
 
と言っても、
 
「それがなんです。火事で死ぬのとコロナで死ぬの、どちらが恐ろしい死に方ですか。コロナですよね? コロナですよね? コロナで死ぬより恐ろしい死に方が他にありますか?」
 
と返されると反論することができない。そして、
 
「ボクは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からこう言っているんです」
 
と言われると反論することができない。さらに池上彰は、
 
「女性の皆さんも、もちろんちゃんと窓を開けて寝てますよね? だって新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から考えれば、『女だから』という甘えは許されるものじゃないでしょう」
 
すると「そうだそうだ」と、周防正行が手を叩いて言っているのが聞こえてくる。これにも反論することができない。
 
これは読書ブログだから、少しは本の話をしようか。前に書いたがおれは過去に、そろそろ老犬になりかけていた我が家の飼い犬をジステンバーで死なせてしまった。あれは仔犬の病気だろうと思っていたが、そうではないのだとそのとき言われた。
 
お年寄りは大切にしよう。松本清張の『日本の黒い霧』をおれは定食屋の本棚にあったものを読んだと書いたが、〈ビッグコミック〉の1991年6月25日号を手に取り読んだのもその定食屋の本棚でだった。犬を死なせてしまったのが89年の6月だからちょうど2年後ということになる。
 
谷口ジローの『犬を飼う』という短篇が載っていた。おれはその店に通って5回ほどそのマンガを繰り返して読んだ。棚から雑誌のその号が外されるまでのひと月ほどの間に。
 
今のおれはこれを収めた本を文庫で持ってるのだが、お年寄りは大切にしよう。話の中におばあさんがひとり出てきて、
 
   *
 
「(略)」
 
アフェリエイト:犬を飼う
 
と言い、これを聞いた人物が、
 
   *
 
《妻は複雑な気持ちでそのおばあさんの話を聞いていたという。》

アフェリエイト:犬を飼う
 
と述べているところがある。
 
おれも複雑な気持ちでそのおばあさんの話を読んだ。読むたびに、今でもそうだ。
 
けれど今では電子書籍になっていたりするんですね。良ければ買って3パーセントのアフェリエイトをおれにください。

作品名:端数報告2 作家名:島田信之