青い絆創膏(前編)
たかやす君は、まるで昔からの友達みたいにそんなことを言った。“なんでわかるんだろう”と思うのは、これで二度目だ。私は急に気持ちを見抜かれた恥ずかしさに、ちょっとうつむいてしまう。でも私は、“たかやす君はちょっと言葉を交わしただけで人の気持ちが分かってしまうような、鋭い観察眼でも持っているんだろう”と思うことにした。
「でもさ、なんか、デートみたいだね」
返事を考え込んでいた私の睫毛にそんな言葉が降ってきて、顔を上げると、にこにこと笑ったたかやす君と目が合った。
「えっ…」
「冗談だよ。僕達、この間会ったばかりじゃない」
そう言ってたかやす君はすぐに前を向いて、元のように微かに微笑んでいた。私はどうしたらいいかわからなくて、「そ、そうだね」と言葉を詰まらせてしまった。
眩い光と、それより強く光る彼女達の笑顔、とびっきりのパワーが爆発して、世界が全部ここにあるんじゃないかってくらいの素敵な時間。そんな時を私はこの日、過ごした。