少年と燃える青年
閻魔裁き?
「では、この亡者の行き先を判定する!」
閻魔大王が高らかにそう言うと、右横の青鬼から何かを受け取り、それを少年に見せた。
「これはペンだ」
「えっ、ペン?」
意外な物の登場に、少年はきょとんとした。そんな彼をよそに、閻魔大王は左横の赤鬼から何かを受け取り、同じように少年に見せた。
「これはリンゴだ」
余計に意味が分からず、困惑の顔を見せる少年。
すると、死後の世界の裁判官はペンでリンゴに何かを書き始めた。一画一画、ゆっくり丁寧に…。その様子を、少年は相変わらず困惑した顔で見つめた。
閻魔大王が書いている語句の最後の一画を書こうとした、そのときだった。