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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 6 取り敢えず気になるアイツ

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 恵美莉は自分のお小遣いを引き出すのは後回しにして、その銀行を出た。そして三人は、大学の近くにあるショッピングモールにやって来た。
「この中にハンコの会社が、文房具屋さん出してるだろ。そこで作ってもらえると思うけど」
「あたし、ハンコなんか作ったことない」
「私モ、ゴザイマセン」
「黙れ!」
「いくらぐらいかかるんだろな」
「ソレハ高イデスカ?」
「銀行印作るくらいだったら、安いでしょう」
「いや、銀行印でも結構すると思うぞ」

 店に着くとすぐに頭の禿げた店員と目が合った。その店員は、外人が一人混じる3人組をじろじろと見た。
「ジロジロ、見テマス」
「あの、この人の銀行印を作りたいんですけど・・・」
「ああ、はいはい、外国の方のお名前でですね」
その店員は、急に笑顔になって話し始めた。
「イクラ円デスカ?」
「ええっと、文字数に寄るのですが、アクリルとかでしたら3千円くらいで・・・これです」
店員が壁に陳列されたサンプルを指差した。
「オー、ピカピカデス」」
ポーリーは禿げた店員を見て言った。店員は苦笑いすると、
「い、色もたくさんありまして・・・」
「ツルツル、光ッテマスネ」
さらに追い打ちをかけるように言った。恵美莉は(もうやめろ)と思った。
「3千円? 結構しますね」
「ソレハ高イカ?」
「ハンコ一個に3千円。でも仕方ないか」
「認印ならいくらくらいですか?」
春樹が言った。
(そうか、別に正式な銀行印でなくてもいいんだ。さすが春樹君、よく気が付くね)