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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 6 取り敢えず気になるアイツ

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「こんなバカ相手にしてられっかよ」
元カレは三歩後ろに下がった後、素早く向きを変え、ロビーの玄関に向かって、肩で風を切るようにわざとガニ股で歩いて出て行った。
「オットトトイ、来ヤガレ!」

 みのりは脱力し、恵美莉に抱き付いた。
「よかった。帰った・・・」
「ゴメンみのり。あたし何も言えなかった」
「いいのよ。あんたの気持ちは知ってるからぁ、ウワァーン」
みのりは涙は流していないが、くしゃくしゃな泣き顔になった。
「でも、またどこかで待ち伏せするかもしれません。気を付けてください」
桧垣も心配してそう話したが、
「大丈夫。私吹っ切れました。もう逃げ隠れせん! 先輩、ポーリーさん、ありがとうございます!」
「案ズルデナイョ」
小峠と春樹も、みのりの傍に駆け寄った。
「取り敢えず、これで佐々木先輩にも、遠慮なく会えるわね」
恵美莉と春樹は微笑んだ。

「・・・・・・」
みのりは無表情でいる。

「うん? でしょ? ・・・なんでしょ?」
「何が?」
ぽかんとした表情で見つめ返すみのりに、春樹は真顔に、恵美莉は歯を噛みしめ眉を寄せた。
「なんじゃぁ? みのりの彼氏って、佐々木先輩じゃないの!?」
「なんでそう思ったのよ?」
「じゃ、誰なのよ?」

「実は・・・、小峠先輩」

「えええええええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーー!!!」