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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 6 取り敢えず気になるアイツ

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第6章 取り敢えず



「君、取り敢えず、それくらいにしておいたらどうだ!」
このタイミングで桧垣が声をかけた。
「すでに君は不法侵入者だ。守衛を呼ぼうか?」
「なんだと? お前には関係ないだろ!」
「先生ニ、“オ前”ハ失礼、“貴様”ト言エ」
(ポーリーは黙ってて)と恵美莉は思った。
「すでに私は河辺さんから正式に相談を受けて、調書を取っています」
「相談?」
「私は学生相談を受けて、あらゆる手段を用いて、問題解決する義務があります」
「そんなこと知ったことか」
「借金でもないのに、彼女にお金の返済を要求しているそうですね」
「それは二人の間のことだ。貴様には関係ねえだろ!」
「ソウ、貴様ダ・・・」
「調書を警察に提出することも検討しています」
「・・・・・・」
「すでに7万円も巻き上げられていると聞きましたよ。十分犯罪です」
「うるせえ!」
「では、不法侵入に加えて、恐喝容疑で警察を呼びます」
桧垣はこの状況をうまく利用して、みのりの元カレにプレッシャーを与えて言った。

「そんな刀を振り回したら、その方が犯罪じゃねか!」
「私ハ知ッテイマス。日本ノ法律ハ、“取リ敢エズ”デス」
「・・・と、取り敢えずって、お前・・・」
元カレは、一歩後退りした。
「・・・法律ぐらい解ってるだろ・」
「拙者ハ、ソレハ取リ敢エズト言ッテイル」

 全く表情を変えず睨み付けるポーリーと小峠の迫力に、元カレは怯んだ。
 この時、ポーリーが言う法律とは、不法侵入や恐喝についてだったが、元カレは銃刀法違反のことを指して話していた。それを取り敢えずとしか認識していない、変な外人にビビるのは当然である。さすがの恵美莉も、ポーリーがどういう意図で言っているのか理解できなかった。