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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 6 取り敢えず気になるアイツ

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 恵美莉はポーリーとの出会いから、最初に持っていた印象とか、出会う度に面倒に思っていたこととか、事細かに話した。桧垣助教授もその話から、ポーリーの奇行を笑って聞いた。
 鳩の一件でポーリーの心の内を垣間見た恵美莉は、初めて接した感性に、戸惑いと共に言葉では言い表せないような新鮮な魅力を感じ、自分の中でうまく整理することが出来ずにいる心境を打ち明けた。それが異文化に対する興味なのか、外国人に対する好奇心なのか、そして、外見上全く興味がなかったポーリーに対して、図らずも男を意識してしまった自分に、戸惑いと驚きを感じている、そんな心理を分析してもらいたかったのだ。
「見た感じじゃ、付き合いたいとか、抱かれたいとか思わないんですよ」
「でも、野暮ったい彼に魅かれてるのは、間違いなさそうだよね」
「男の人を内面で見られるようになったんでしょうか?」
「ははは、僕なんか、外見には自信ないけどな」
「先生は優しいから、それにいろいろ大人なこと教えてくれるし・・・」
「じゃ、新しいことに興味があって、僕じゃなくその情報に魅力を感じてる?」
「・・・・・あたしは・先生が好きだし」

 桧垣は恵美莉をしっかりと見た。彼女は目線を下げて話していた。この年頃の女子特有の戸惑いを自ら演出する姿から、次の行動の予想が付いた。桧垣はまっすぐ彼女の顔を見詰めた。すると彼女は、予想通り顔を上げて隣に座る桧垣と視線を合わせた。そのタイミングを見逃さず、桧垣は唇を重ねた。
「先生。いつものケア♡、お願いしてもいいですかぁ?」
恵美莉のこの甘えた声をきっかけに、二人は密室のカウンセリングルームへ移動した。

 その後しばらく、真昼の情事が盛り上がり始めたころ、学生相談室のドアをノックする音が聞こえた。
「あ、お客さん(汗)」
「せっかくいいとこなのに、急いで出られる?」
「はい」
恵美莉は慌てて胸元を直して、カウンセリングルームを出た。すると、すでに相談室のドアを開けて、みのりが立っていた。
「なんだ、みのり。どうしたの?」
「恵美莉、隠れさせて」