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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 6 取り敢えず気になるアイツ

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「オウ! 先日ハ付キ合ッタノ、ウレシカッタ」
「あんたら、付き合ってんの?」
みのりがちょっと引いた。
「そんなわけないじゃない! ポーリー、ちゃんと説明しないと誤解するでしょ」
「ハンコ買ウ、付キ合イデシタ」
「そうそう。で、ちゃんと口座作れた?」
「万事ヌカリナク」
「難しい日本語選んで使ってんなぁ?」
「でも、恵美莉はポーリーさんと、どうやって知り合ったの?」
「へ? 知り合ったて言うか。なんとなく目に入って来ただけよ、コイツ」
「“コイツ”デハナク、正シクハ、“コヤツ”デスネ」
「コイツでもコヤツでも同じ意味よ」
「同ジ意味デスカ? 違イハナイデスカ?」
「まったく同じ意味」
「ジャナゼ、2コノ言葉アリマスカ? 不必要ジャナイデスカ?」
「知らないわよ。そんなことまで」
「日本人ナノニ、日本語知ラナイカ?」
「やっぱ腹立つ」
「ソレハソウト、聞イテクダサイ」
「何よ。また変な騒動巻き起こした?」
「サクジツノ夜、私ハ、寮ノ部屋デ、クツロギマシタ」
「・・・うん、それで?」
「スルト、ドウデショウ。テーブルノ向コウノハジニ、黒イ毛ガ、見エルデハアリマセンカ」
「黒い毛?」
「ソレハナント、ソヨソヨト、動イテイマシタ」
「毛がそよそよ? なんか怪しい空気を感じる」
恵美莉とみのりは、身を乗り出して聞いた。
「スルト、アヤツハ、テーブルノ上ニ、ソノ顔ヲ見セタノデス」
「ふふ、アヤツだって」みのりが笑いを堪えられず噴き出した。
「ソレハナント、ゴキブリデシタ」
「げっ!」みのりの笑いは一変、嫌悪の表情になった。